「裏金議員だまれ!」与野党でやじ応酬…尾を引く自民派閥事件、議場はピリピリムード

国会議事堂(資料写真)

 自民党裏金事件への対応などで日程が押し気味の国会は19日、衆参両院で本会議が開かれた。衆院では医療保険料と合わせて子ども・子育て支援金制度の負担金を徴収する関連法案の採決、参院では岸田文雄首相の訪米報告を実施。裏金事件で名前が挙がった議員からの「静かに聞け!」とのやじに、野党議員が「裏金議員だまれ!」と反撃するなど、議場はピリピリムードに包まれた。

 週明けには衆参両院で予算委員会が開かれる。衆院3補選の投開票が28日に迫る中、「中途半端な処分」(官邸スタッフ)を背景に「裏金議員」への批判は過熱の一途。与党内には「補選などで大逆風だ」(自民選対関係者)との懸念が広がっている。

 衆院では公明党の河西宏一氏の支援金関連法などへの賛成討論に野党が反発した。降壇時に出た「公明党、お前もか」とのやじに自民席から「失礼だ」と反論が飛んだことで議場はさらに騒然。「裏金(議員)がそれを言うか」「罪滅ぼしにもならない」など、野党からの怒号まじりの批判を招いた。

 一方、参院では立憲民主党の小西洋之氏が「内政の問題を放置したままで大風呂敷を広げても国際的な信用は得られない」などと首相訪米を酷評。裏金事件の発端となった政治資金パーティーについて法制化による禁止を迫った。しかし首相は「各党会派の協議が必要となる」と判断を避け、裏金事件解明への意欲を示すこともないままだった。米関係者とのやりとりの説明に熱弁を振るうのとは真逆の反応。あきらめまじりの「どこの国の総理?」とのやじも聞かれた。

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