広島市中心部の平和大通りでの自転車専用道の整備で、市は本年度、中区の平和大橋東側から田中町交差点までの約1キロの区間に着工する。樹木11本を伐採し、年度内に完成。来年度以降、残り区間の工事を進める。
市は全長約4キロの平和大通りのうち中、西区の約3・5キロの両側に、幅2メートルの自転車専用道と幅2メートル以上の歩道を設ける。ルート上の樹木は撤去する方針で本年度は17本が対象となる。
うち11本は移植しても生育が期待できなかったり、大き過ぎて運べなかったりするため伐採する。高さ30メートルのメタセコイア3本や、1957、58年に市の「供木運動」で寄せられたとみられるケヤキやアラカシも含まれる。もう6本は平和大通りの緑地帯に移植する。
2024年度の工事費は1億7千万円。25年度に今回より東側の鶴見橋までの区間を、26年度以降に西側の新己斐橋までの区間を整備する。自転車都市づくり推進課は「移植が難しい樹木は、日用品や公的な場所でのベンチへの再生利用を検討し、樹木に込められた多くの人の平和への願いを継承したい」としている。