古江彩佳も“セレモニー”でハグ 元世界1位のユ・ソヨンが引退「泣かないと決めていた」

現役ラストゲームを終えた元世界ランキング1位のユ・ソヨン(撮影/村上航)

◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 2日目(19日)◇ザ・クラブ at カールトンウッズ(テキサス州)◇6889yd(パー72)

元世界ランキング1位の33歳、ユ・ソヨン(韓国)が現役を引退した。2017年大会覇者として臨んだラストゲーム。115位から「74」と伸ばせず、7オーバー110位の予選落ちとなったが、18番のグリーンサイドでは韓国の後輩選手たちや各国のツアー仲間がその瞬間を見守った。

韓国の後輩たちが慕う偉大な先輩だった(撮影/村上航)

「泣きそうになったけど、今週は泣かないと決めていた。悲しい週ではなく、お祝いの週にしたかった」。花束とシャンパンを渡され、笑顔で一人一人とハグ。プレーを終えていた古江彩佳も駆けつけて抱き合った。「とても感動的だった。こんな気持ちはめったに味わえないし、もしかしたら最初で最後かもしれない。この1週間にとても満足しているし、全てに感謝したい」。充実感いっぱいに競技生活を締めくくった。

古江彩佳もユ・ソヨンの元に駆け付けた(撮影/村上航)

同じく大会の歴代チャンピオンとしてコ・ジンヨン(韓国)、パティ・タバタナキット(タイ)とともに2日間をプレー。タフなアプローチや決めたいバーディパット、その一打一打を楽しむことに全力を尽くした。少し感傷的になったのは、最終18番のティイングエリアに立った時。「頭の中にふとよぎった。これが最後のティショットになるんだ」。1.2mの微妙なパーパットを決めきってのフィニッシュに、かつての世界ナンバーワンとしての誇りを詰め込んだ。

惜別のシャンパン(撮影/村上航)

週が明ければ次の試合会場へ移動しなければならない気がしているほど、まだ実感が伴っていないという。「しばらくゆっくりしたい」と言ったのは、それだけ厳しい世界で自らを律して長年戦ってきたからこそ。「キャリアを振り返ってみると、自分に優しくなかったような気がするし、純粋に自分に誇りを持つこともなかったような気もする。だから、これからは自分自身を認めて、純粋に誇れるようになりたい」。穏やかな心で新たなステージへと一歩を踏み出す。

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