クレーシーズン好調のチチパスが2本のマッチポイントを凌ぎバルセロナOP準決勝進出!「逆境を乗り越え大きな収穫になった」<SMASH>

現在開催中の男子テニスツアー「バルセロナ・オープン」(4月15日~21日/スペイン・バルセロナ/クレーコート/ATP500)は、現地19日にシングルス準々決勝を実施。第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/世界ランク7位)が、ファクンド・ディアスアコスタ(アルゼンチン/同53位)に4-6、6-3、7-6(8)で勝利し準決勝へ進出した。

前週の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(モナコ・モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)で優勝を飾ったチチパス。今大会では、2回戦(初戦)でセバスチャン・オフナー(オーストリア/同43位)、3回戦ではロベルト・カルバレスバエナ(スペイン/同72位)にいずれもストレートで勝利を収め、ベスト8へ駒を進めていた。

準々決勝で顔を合わせたディアスアコスタは、クレーを得意とし今年2月の「アルゼンチン・オープン」(アルゼンチン・ブエノスアイレス/クレーコート/ATP250)でツアー初優勝を果たした23歳の成長株。

そのクレー巧者を相手にチチパスは序盤から苦戦を強いられる。スピンの効いたショットに押され、2度のブレークを喫し4-6で1セットダウン。続く第2セットでは持ち味の攻撃的なプレーを見せ3-6で奪い返す。

ファイナルセットでは一進一退の攻防が繰り広げられる。チチパスが1ブレークの差でリードし、第10ゲームではサービング・フォー・ザ・マッチを迎えるものの、ディアスアコスタの力強いプレーに押され取り切れず。第12ゲームではマッチポイントを凌いで何とかキープし、勝負の行方はタイブレークへ委ねられる。
ここでは、先に2度のミニブレークを奪われ2-5と苦しい展開となる。そこから息を吹き返すも、6-7で再びマッチポイントを握られる。ここはサービスポイントで切り抜け、3度目のマッチポイントをものにし10-8で勝負あり。

勝利の瞬間、2時間32分の激闘を制しコートへ倒れ込んだチチパス。試合後の記者会見では、最後まで戦い抜いたアルゼンチン期待の星に賛辞を送った。

「試合を通して自分のプレーを維持するのはとても難しかった。彼は全てを出しきったと思う。彼はクレーコートでとても力を発揮する選手。今回の試合でツアータイトルを取っている理由を明らかにした」

また、「サービスエースで簡単にポイントを取りたかったけど、クレーコートではそうはいかない」と試合を振り返ったチチパスは、「多くの試合を戦い、このような苦境に立ち向かえたことは大きな収穫になった」と接戦での勝利に手応えを示した。

なお勝負強さを見せたチチパスは、現地20日に行なわれる準決勝で、アルトゥール・フィス(フランス/同36位)を破ったドゥサン・ラヨビッチ(セルビア/同59位)と対戦する。

構成●スマッシュ編集部

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