TOYOTA GAZOO Racing、2024年もスーパー耐久を通じてもっといいクルマづくりに臨む

 4月20日、ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第1戦『SUGOスーパー耐久4時間レース』が開催されている宮城県のスポーツランドSUGOで、TOYOTA GAZOO RacingはST-Qクラスに参戦する3台の車両についての説明を行った。3台がそれぞれの進化を遂げている。

 TOYOTA GAZOO Racingは、モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり、さらにマルチパスウェイ、カーボンニュートラル社会の実現を目指し、スーパー耐久シリーズのST-Qクラスを活用。ORC ROOKIE Racingとともに活動を展開してきた。

 迎える2024年第1戦SUGOには、ORC ROOKIE Racingから28号車ORC ROOKIE GR86 CNF Concept、32号車ORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptという2台、そしてGR team SPIRITから92号車GR Supra Racing Conceptという3台がST-Qクラスに参戦する。

 この3台について、GRカンパニーの高橋智也プレジデントは「GRとして、基本的に取り組みは昨年から変わりません。カーボンニュートラルも含めてクルマを鍛え、技術の挑戦をしていくのがこのスーパー耐久だと思っています」と語った。

 見た目の印象としては、28号車、32号車とも2023年までのものと大きく変わっていないというが、どちらもニューボディを投入。32号車については新型となった市販のGRヤリスをベースとしている。ORC ROOKIE RacingのGRヤリスとしては昨年のもてぎ以来の登場となるが、同様にDAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション)を搭載。ドライバーがシフト操作をしなくてもレースを戦うことができる。

 このDATについては、制御のソフトウェアアップデート、さらにもてぎで泣かされたDATの冷却性能の向上、さらに新開発のLSD、さらに車体ではドア、フェンダー、バックドアに新開発のカーボンパーツを搭載した。なお、DAT搭載のGRヤリスについては今シーズンにはニュルブルクリンクに挑む計画もあるという。

 また28号車は、次期GR86に向けた進化を見据え、そのパッケージに合わせ車両を製作。昨年までは1.4リッター3気筒ターボを積んでいたが、今季は1.6リッターに拡大。「ある程度昨年まで試したかったことのデータが取れたので、いま市販している1.6リッターエンジンのさらにいろんな使い方で鍛えてみようという趣旨(高橋プレジデント)」で変更された。

 1.6リッターについては、2023年までは将来に向けた検討のなかで1.4リッターを試してきたほか、カーボンニュートラル燃料についてのトライのなかで、厳しい条件のなかで試そうというトライが行われてきたが、今季は排気の規制と高出力スポーツカーの両立が研究のテーマになることから、1.6リッターのシビアな熱負荷のなかで開発しようと採用されたという。

 さらにこれまでウイークポイントでもあったミッションも新たなものを搭載。ライトウエイトスポーツカーとして低重心化、前後重量配分の改善、ボディ剛性のアップに取り組んできた。

 そして、GRスープラGT4をベースとしたGR team SPIRITの92号車GR Supra Racing Conceptは、「今もGT4のマーケットでユーザーの皆さまに使っていただいていますが、よろジェントルマンが乗りやすいクルマづくりをこの場でやりたい(高橋プレジデント)」というコンセプトで参戦する。

 狙いとしては、プロ、アマチュア問わず安定して走れるカスタマーレーシングカーを目指し、ABSやミッションの制御のアップデート、室内快適性など、カスタマーレーシングカーとして望まれる開発をST-Qクラスを使って行うという。

 それぞれにコンセプトをもって戦っている3台だが、4月20日のグループ2では、92号車がしっかり完走。4月21日のグループ1ではORC ROOKIE Racingの2台がレースに臨むことになる。なお、水素エンジンを積むORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは、第2戦富士での参戦を予定しており、さまざまな改良を受けて登場することになりそうだ。

2024スーパー耐久第1戦SUGO ORC ROOKIE GR86 CNF Concept
2024スーパー耐久第1戦SUGO GR Supra Racing Concept
2024スーパー耐久第1戦SUGO GR Supra Racing Concept

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