【五月病】新学年、新しい環境で緊張する子どもをどうサポートする?

「不安」「とまどい」「緊張」子どもの抱えるストレスを和らげる3つのポイント

4月は新しい出会い、新しい環境に身を置く季節です。明るい春の陽気と同じように希望に満ちたイメージが強い一方で、慣れない環境に戸惑い不安を覚える人も少なくありません。

とくに子どもにとって学校での担任の先生の変更、クラス替えや進学での新しい友人作りは大きなプレッシャーとなることもあります。必ずしも「楽しく明るい新年度が始まる」という輝くような新学年になるとは言い切れません。

そこで、新しい環境に慣れるまでに時間のかかる子や緊張する子どもをどう家庭でサポートしていくかを考えていきます。

今回は以下3つのポイントを押さえて解説します。

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【ポイント1】親子で新年度の様子を話し合ってみよう

新しい環境、新しい人との出会いがあるのは子どもだけでなく大人も同じ。

新しい環境、新しい人との出会いがあるのは子どもだけでなく大人も同じです。

親も配置転換で部署が変わり、これまでとは違う仕事をすることや上司や仲間が変わり、うまくやっていけるかどうか不安で押しつぶされることもあると素直に話してみてください。

新年度はどの年齢にも関係なく緊張と不安な気持ちを抱きやすいことを子どもに知ってもらうことで「暗い気持ちになっているのは自分だけではない」と安心させるようにしましょう。

子どもにとって親は頼もしい存在です。

そんな親でも新年度には悩んでいるということが分かれば、新年度で起きる変化との向き合い方も少しずつ変わっていきます。親も子どもの頃の経験を話し、どう乗り越えていったのかアドバイスをしてあげるのもよいです。

新年度はこれまでとは違うことに目が向きます。親子で新しいクラスや学校、職場の雰囲気を話し合うことで気持ちのモヤモヤをすっきりさせることもできます。

「友達なんてすぐ作れる」という言葉ではなく、緊張した話やどのようなタイミングで知り合いが増えていったのかや友達ができるまでどのくらいかかったかなど、具体的な内容を語るようにしてください。

子どもが「こういうシチュエーションを作ればいいかな」と自分ながら考えて、実際に行動しやすくなります。

【ポイント2】緊張や不安を口に出しやすい雰囲気にする

子どもが不安を口にしやすいかどうかは日頃の親子の関係性、家庭の雰囲気に左右される。

新年度がスタートし何かと緊張することの多い中、家でホッとできることは心身のリフレッシュには欠かせません。

しかし、子どもが不安を口にしやすいかどうかは日頃の親子の関係性、家庭の雰囲気に左右されます。

子どもが自分の素直な気持ちを言い出しやすくするため、親は「今は忙しいから」「学校楽しいでしょう」と突き放したり決めつけたりする言葉を避けてください。

毎日の夕食後、寝る時に話を聞く時間を設けるなど子どもが自分の気持ちを素直に伝える雰囲気を作ることも大切です。新年度ということもあり親も何かと気忙しいかもしれませんが、必ず声を変えたり子どもの話に耳を傾けるようにしましょう。

また、自分の気持ちを思うように言い出せない性格の子や心配かけまいと何も言わない子もいます。不安を全て自分一人で抱え込み、何事もないように振る舞うと知らず知らずのうちにストレスが大きくなります。親も新年度で忙しく、子どもを気にかける余裕がないかもしれませんが新しい環境はどうか声がけをしたり、話に耳を傾けるようにしましょう。

一度心の不調に陥り、改善するのは容易なことではありません。モヤモヤを抱える子どもの話を聞くと時には愚痴や文句が多くなるかもしれませんが、決して叱らず心のデトックス期間と思い受け止めるようにしてください。

子どもは子どもなりに戦い、新しい環境に適応するよう奮闘しています。時には苦手な同級生と同じクラスになることもあります。日々不安と向き合っている子どもに手を差し伸べられるのは親しかいません。

【ポイント3】辛いときは保健室登校や早退や休むことを否定しない

辛いときは保健室登校や早退や休むことも選択肢に入れる。

学校が始まり、どうしても辛そうなときは保健室登校で様子を見たり、遅刻や早退そして休むことも現実的な対策になります。親も仕事があります。本音を言えば学校に行って過ごして欲しいところですが、そうもいかない事態も起きるのが新年度です。

新しい環境に慣れようと頑張る気持ちと、辛いという気持ちが交差を繰り返して「やっぱり行けない」になります。そこに至るまでに大きな葛藤をしているわけですから、学校に無理やり連れて行っても事態が改善することはありません。

まずは子どもの気持ちをしっかり聞き、「学校に行くのが辛いなら学校を休んでもいい」という言葉を親が言い出せる勇気も持ちましょう。ただ休めば良いというスタンスで動くのではなく、休んだ時の勉強面のサポートや保健室に登校した際の過ごし方など確認しましょう。

筆者の子どもも小学生の時にクラスになじめず、学校を休みがちになる時期もありました。休ませたり早退をして、学校にいる時間を少なくし、自分の気持ちと向き合う時間を作り乗り越えていきました。

子どもが行き渋るまたは休む回数が増えれば、新年度ということもありいつも以上に親の方も新しい担任の先生や学年主任の先生との連絡も欠かせません。転校や中学や高校への進学をし、先生の誰もが子どものことをよく知らない状態で行き渋りが起きることもあります。こういう時はより一層学校側とコミュニケーションをしっかり取ることが必要です。

新年度に予期せぬことが起きると親も慌ててしまいますが、不測の事態を想定しておくようにしましょう。

どんな子でも何かしらの不安を感じている、子どものペースで環境に慣れるまで焦らせない

子どものペースで環境に慣れるまで焦らせないことが大事。

変化の激しい新年度は、新しい環境に慣れるのに苦労する子も少なくありません。

短期間で友達ができる子は決して多くはなく、「時間がたてば慣れる」「友達なんて勝手にできる」と子どもの気持ちを無視した言葉はストレスを増やすだけなので絶対に口にしないようにしてください。

1カ月でなじむ子もいれば、数カ月、秋くらいにようやくクラスの雰囲気に慣れる子もいます。筆者の子どもの一人も、クラス替えがあればそのたびに慣れるまで半年ほどかかるので、「色々と話を聞いて家庭で不安な気持ちを出させる」をしています。

子どものペースで環境に慣れるまで焦らせず、親子で会話をして新年度の変化に慣れていくよう見守りたいですね。

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