「東京の概念的な範囲」を可視化した地図が話題に 東京に侵食されている地域に思わず納得

東京を概念化した地図が、X上で話題になっています。

投稿したのは、Xユーザーのいとう(@Smille_feuille)さん。

当ポストは2024年4月18日時点で3900件を超えるいいねを集め、話題となっています。

東京の概念的な範囲が話題となったことに関連し、記事後半では東京都の経済状況の推移についても紹介します。

※投稿された写真は【写真5枚】をご参照ください。
※今回紹介するポストは、投稿者様の許可を頂いております。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

「概念的にどの範囲までか」東京と名のつく地点を抽出した地図が話題

東京の概念を可視化したMAP

「『"東京"とは概念的にどの範囲までか』の可視化に挑戦。OpenStreetMapで"東京"と名の付く地点を抽出し、その点密度を基に等高線を生成して範囲を段階的に表現。中央区とかは誰がどう見ても東京。浦安は(TDRの影響で)東京っぽい。町田は少し議論を呼びそう、など」

そんな書き込みとともに投稿されたのは、首都圏の地図が写った1枚の画像でした。首都圏のうち「地点名に東京と付く場所」をまとめたものです。

中央には「The東京」の文字があり、この地域はハッキリと赤くなっているのがわかりますね。一方で町田市は薄い赤、千葉県浦安市はそれより少し濃い赤…といった具合に、地域により色の違いが一目瞭然です。

東京というワードが含まれる地点の数により「概念を可視化した地図」は、多くのXユーザーから反響がありました。

コメント欄には「町田より浦安のほうが指数高いの草」「川崎から鶴見まで東京が進出してるなんて」「横浜あたりは東京と呼ばれたくない精神がありそう」等の反応が続出。

ほかにも「山の中などは東京を否定される事になるので、施設のうち東京を名乗るものだけを抽出すると正確かも」「施設の総数で規格化すると良さそう」といった意見も集まりました。

東京の概念化をおこなった経緯は

投稿者のいとうさんに、東京の「概念化」を行った経緯を尋ねると、「言語処理専門家の方による『ある土地の範囲はどのくらい広いか調べたい』という発信を見たこと」がきっかけだったといいます。

続けて「私は千葉県市川市の出身でして、昔はふざけて『東京都市川市』を名乗ったり、外国の人には『I'm from Tokyo!』と自己紹介していたので、東京の概念を可視化したら面白そうだなと感じました」と話してくれました。

そんないとうさんにとって、東京の概念化は新鮮な経験だったそう。

「行政界や人口、建物数などではなく、『地点名』に基づいて"東京"という概念を捉える試みは自分にとって新鮮でした。結果的に色んな人が見てくれて、納得感とツッコミどころの両方あって楽しんでもらえた気がします」と語ります。

完成に要した時間は、約1時間ほどだった

東京を可視化した地図の制作に要した時間をうかがうと「実は”東京”の可視化は寝る前の30分くらいで試したもので、フォントとかデザイン面を含めても1時間くらいで完成させました」とのこと。

多くの情報をわかりやすくまとめた地図を、1時間足らずで作ってしまうとは驚きです。

そんないとうさんは、「今振り返ると改善点も多いのですが」とした上で、「簡素な方法で東京の概念を大まかに表現できたのは興味深かったです」と感想を述べました。

地図の制作にあたり苦労した点もあったそう。「地域の概念的な範囲って人それぞれで感じ方が違うので『一つの正解を定義できない』という点です」といい、「そこを等高線という形で段階的に示せたのは良かったです」と振り返ります。

いとうさんはXにて、同様の方法で「"横浜"の概念的な範囲を可視化した図」に、作成工程と課題を添えて公開しました。メインエリアは横浜駅周辺とみなとみらいとのことです。

横浜の概念的な範囲を可視化したMAP
概念的な範囲を可視化したMAP

今回の手法については、「皆さんからのコメントをもとにさらに検証してみたいので、本当に苦労するのはむしろこれからかもしれません」と、今後についても話してくれました。

主旨は違うけど「"東京"とは概念的にどの範囲までか」の可視化に挑戦。
OpenStreetMapで"東京"と名の付く地点を抽出し、その点密度を基に等高線を生成して範囲を段階的に表現。
中央区とかは誰がどう見ても東京。浦安は(TDRの影響で)東京っぽい。町田は少し議論を呼びそう、など。 https://t.co/hIX7GkBZQS pic.twitter.com/LOQFIa33m1

— いとう (@Smille_feuille) April 8, 2024

令和6年度の東京都の経済状況は「回復しつつある」

東京の範囲を概念的に可視化したポストが話題となったことに関連し、「東京都の経済状況」について紹介します。

東京財務事務所が発表した東京都分の経済情勢報告(令和6年1月判断)によると、都内経済は「回復しつつある」という総括判断となっています。

個人消費・産業活動・雇用情勢の項目はいずれも回復傾向にあるとされ、前回(令和5年)と据え置きという結果になりました。

雇用や所得環境の改善・各種政策の効果もあり、今後も回復が続くことが期待されています。しかし、海外の景気の下振れや、物価上昇、金融資本市場の変動から受ける影響などに、注意を払う必要があると考えられています。

地域情報のWeb地図も制作している

ちーぶろMAP

「東京は概念的にどの範囲までか」を可視化し、話題となったいとうさん。実は「ちーぶろマップ」という地図アプリも運営中されています。

ちーぶろマップについてお聞きすると、「私は生活圏の地域情報をブログやSNSを通じて頻繁に見ていて、そのリストを地図上にプロットしてウェブ地図アプリとしてまとめたものが『ちーぶろマップ』です」と説明。

いとうさんが住んでいる千葉県柏市とその周辺を対象に、現時点で1500件以上のブログ記事をマッピングしているそうです。

ちーぶろマップは「日常生活を楽しむためのツール」として作り始めたといい、先々の目標は「地域情報を大量にまとめることで、地域の魅力の集合知を作ること」「楽しさとか感動とか、それもある種の概念的なものですが、それらを地図上に表現できたら新たな価値を生むかもしれないと考えています」と語ってくれました。

日々アップデートが行われており、使いやすい工夫がたくさん施されています。気になる方はぜひ、ちーぶろマップやいとうさんのXアカウントをご覧になってみてください。

参考資料

  • @Smille_feuille
  • ちーぶろマップ 柏市・流山市・松戸市とその周辺の地域ブログ記事まとめ地図
  • 財務省 東京都分の経済情勢報告(令和6年1月判断)

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