「250ヤード超!」飛ばし屋・荒川怜郁のスイングを解説

今月は、昨年のドライビングディスタンスで上位に入った女子プロをピックアップ!

飛距離アップに必要な要素が詰まったスイングのポイントを解説していく。

右ヒジを伸ばした大きな軌道で軸を斜めにして飛ばす!

頭を右に残すことで低スピンでも弾道が高くなる

プロ1年目の荒川怜郁選手は、まさに新時代の飛ばし屋というスイングです。アマチュアに参考にしてほしいのは、ハーフウェイバックの姿勢です。荒川選手はハーフウェイバックまで右ヒジを曲げずに、右腕を伸ばしています(❷)。テークバックと同時に右腕を曲げてしまうタイプが多いのですが、荒川選手の ように右腕を伸ばしておくことでスイング軌道が大きくなり、ヘッドスピードアップにつながります。

従来のスイング理論では「頭を動かすのはNG」といわれていましたが、荒川選手はダウンスイング以降に頭を右に残したまま、体の軸を少し傾けるようにしてボールを打っています(❻)。専門用語では「斜軸」と呼ばれる動きですが、軸を斜めにすることで適度なアッパー軌道を作り出せます。アッパー軌道でボールを打つことによって、スピンを減らしても打球が上がる。それが飛距離アップにつながっているのです。

また、頭を右に残すことで、クラブを左に引っ張りやすくなり、肩がタテに回転しているのも飛ばせるポイントです。

いかがでしたか?荒川怜郁選手のスイングを参考にして、飛距離アップに取り組んでみてください。

荒川怜郁

●あらかわ・れいか/2001年生まれ、沖縄県出身。169cm。22年にプロテストに合格し、23年にツアー初参戦。フジサンケイレディスで2位タイに入った。ドライビングディスタンスは257.41ヤード。橋本総業ホールディングス所属。

解説=樋村隆二

●ひむら・りゅうじ/1976年生まれ、千葉県出身。石井忍が主宰する「エースゴルフクラブ」千葉校のチーフインストラクター。プロのスイング研究に余念がなく、それをアマチュアに合わせて教えるレッスンに定評がある。

構成=野中真一
写真=ゲーリー小林
取材トーナメント=ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ

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