1年生は雑用メイン「体重が落ちたり、病んだりする選手も」 甲子園準V監督の“練習改革”

選抜準優勝を果たした報徳学園【写真:産経新聞社】

報徳学園は選抜決勝戦の翌日から練習をスタート

高校野球は選抜大会を終えると、最後の夏に向け一気に加速していく。2年連続選抜準優勝を果たした報徳学園(兵庫)も再スタートを切った。決勝戦を終えた翌日、4月1日から新1年生が正式に加わり、全学年120人を超える大所帯となった。大角健二監督は「1年生でも(上級生を)脅かす存在になってほしい」と期待を込めている。

名門の門をたたいた1年生はド緊張の“高校野球デビュー”を迎えた。約30人の生徒たちは教室で野球カバン、帽子、ユニホームなどを受け取ると、グラウンドに出て練習をスタートさせた。この日は1年生だけの練習でフリー打撃、ノックと軽めのメニューで汗を流した。

新たな戦力が加わり、エースで主将の間木歩(3年)は「チームの底上げは必要。報徳に来たからには1年生からレギュラーを取る、強い気持ちを持ってもらいたい」と、期待を込める。厳しい上下関係はなく、チーム全体の戦力アップに向け1年生の力も必要と見ている。

時代の流れと共に練習内容も変化している。大角監督は自身の高校時代と比較し「昔は気合と根性がないと報徳ではやっていけないところはあった。厳しい練習で体重が落ちたり、メンタルが病んだりする選手もいた」と振り返る。当時、1年生はほとんどボールを手にすることができず、雑用やランニングがメインだったという。

だが、わずか2年半しかない高校野球生活のなかで「無駄な時間を過ごさせたくない」と、練習内容を変化させ、入学直後から技術練習を取り入れた。「入学してから3年生に向けてパワーアップさせたい。正しい形に戻ったのかなと思っています」と力を込める。

報徳学年の“高校野球デビュー”に密着した模様は、Full-Countの公式YouTubeチャンネルで公開中。期待や不安を抱きながら入部した、1年生たちの素顔を見ることができる。(Full-Count編集部)

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