宇佐市とアドテックが妊婦に歯周病検査キット配布 早期受診促し「安心して出産を」【大分県】

妊娠届の提出時に配布される歯周病リスクの検査キット=宇佐市役所
歯周病の検査キットを寄贈したアドテックの渡辺幹雄代表(中)ら=宇佐市役所

 【宇佐】歯科医の早期受診につなげ安心して出産してもらおうと、宇佐市と同市上田の医薬品メーカー・アドテック(渡辺幹雄代表)は本年度、妊婦に歯周病の検査キットを配布する取り組みを始めた。妊娠初期に検査して歯周病リスクを減らすのが狙い。16日、同社が検査キット250個を市に寄贈した。

 日本臨床歯周病学会は、歯周病のある妊婦はそうでない妊婦と比べ、早産や低体重出産になる確率が7倍以上高くなる―として早期検診を啓発している。

 検査キットは、同社が製造する歯周病原因菌酵素測定試薬「アドチェック」。原因菌が出す酵素を測定することで歯周病リスクを評価することができ、市は妊娠届を受け取った際に渡している。

 方法は専用の綿棒で舌の上を拭い、検体を採取。同社の検査センターに送ると、1週間程度で結果が郵便で返送されるという。

 市役所であった寄贈式で、渡辺代表が「安心して出産できることは少子化対策にもつながる。社会に役立てば」とあいさつ。検査キットやその使用法などを説明した。是永修治市長は「早期発見で妊婦自身の健康が整えられ、元気な赤ちゃんを育てる環境づくりができる」と謝辞を述べた。

 市は本年度から妊産婦への医療費助成を始めており、市子育て支援課は「歯科医でも活用できることを伝え、早期受診を促していきたい」と話している。

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