隅越さん、世界に意欲 ストリートダンス・アジアV、英大会へ

ストリートダンスのアジア大会で初優勝を果たした隅越さん

 タイで4~7日に開かれたストリートダンスのアジア大会「UDOアジアパシフィックチャンピオンシップ」のバトル部門LOCK(16歳以上)で初優勝した郡山市の隅越百葉(すみこしももは)さん(19)。「うれしい気持ち。家族や先生に支えられた」と喜びをかみしめ、世界へ羽ばたくため意欲を燃やしている。

 9歳から9歳からダンスを始めた隅越さん。小学5年生ごろ、めりはりのある振り付けが特徴の「ロックダンス」と出合った。激しい動きから突然動きを止めるロックダンスに魅力を感じ、腕を磨いてきた。各種大会で優勝するなど実績も残した。

 高校卒業後は通信制の大学に通いながら、福島市のダンススタジオでインストラクターを務めている。学業と仕事に打ち込みつつ、大会への出場も続けてきたが、満足できるような結果を出せずにいた。

 気持ちを奮い立たせるきっかけとなったのが、今回のアジア大会だった。出場権を得ると「優勝の好機」と目標を定め、筋力トレーニングや食事制限、音楽を聴いてのイメージトレーニングに力を注いだ。

 迎えた大会当日、「いつも通りいけば大丈夫」と落ち着いて舞台に臨んだ。2週間前に腰のヘルニアを発症したが「気合で乗り切った」。逆境をものともせず予選を通過すると、決勝トーナメントも勝ち進んだ。

 決勝では日本人同士の対決となった。自身の得意なアップテンポの曲とは正反対のゆっくりとした曲が流れたものの、臆せずに平静を保ち、自分のダンスの形を意識した。結果発表で優勝が告げられた瞬間、涙があふれた。「やっと結果が出た。安心した」

 来年開催のアジア大会に加え、8月に英国で開かれる世界大会への切符もつかみ取った。「もっとさまざまなことに挑戦したい」と向上心をみなぎらせた。

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