富岡は桜だけじゃない...菜の花見頃 新たな観光名所へ水田活用

見頃を迎えた菜の花畑=19日、富岡町上手岡

 富岡は桜だけじゃない―。富岡町上手岡の常磐道富岡インターチェンジ周辺の菜の花が見頃を迎えている。地元農家3軒が約30ヘクタールの農地に作付けしたもので、農家は「多くの人に見てほしい」と呼びかけている。

 原発事故からの復興に向け歩む同町は営農再開が徐々に進んできた。菜の花畑は元々は水田だった。原発事故後に休耕したり、用水路がイノシシの被害を受けて営農できなくなったりした水田を活用し、農家3軒で菜の花栽培に取り組んでいる。

 このうち17ヘクタールを栽培する農家遠藤正彦さん(54)は2022年に起業し、菜種油の販売を始めた。菜の花栽培の始まりは「町民らが町を訪れた際、荒れ地ではなく美しい景色を見て喜んでほしいと思ったから」とし、菜の花畑を「富岡の新たな観光名所となり、農業復興のアピールにつながればうれしい」と語った。

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