煮干しの未来考えよう 長崎・雲仙で全国サミット 「大使」の鳥羽一郎さんも熱唱 

「煮干しは伝統水産食品の傑作」と語る品川教授=雲仙市小浜体育館

 煮干しの生産者や研究者らが集まる全国初のイベント「全国煮干しサミットin雲仙」が20日、雲仙市小浜町の市小浜体育館で始まった。生産量が減っている煮干しの未来を問うシンポジウムのほか、「雲仙煮干し大使」に任命された演歌歌手、鳥羽一郎さんのショーもあり、大勢の家族連れらでにぎわった。21日まで。
 全国有数の生産地、橘湾沿岸で煮干しの未来を考えようと、実行委が主催。原料であるカタクチイワシなどを取る巻き網漁業会社「天洋丸」の竹下千代太社長が委員長を務めた。シンポなどに千葉県、香川県、熊本県などから漁業者や加工業者、研究者ら約40人が参加した。
 シンポジウム会場では、煮干しに詳しい学習院女子大の品川明教授(生物科学)が基調講演。「煮干しは頭や内臓に多くの栄養がある天然のサプリメント。ぜひ全体を食べて」と訴えた。

大勢の観客の前で歌う雲仙煮干し大使の鳥羽さん

 ステージでは、大会会長の井上幸宣・橘湾東部漁協組合長が「煮干しのおいしさを知ってほしい」とあいさつ。海の歌が多く漁業の経験もある鳥羽さんに雲仙煮干し大使の任命状を手渡した。鳥羽さんは「本当にうれしい」と話し「兄弟船」などを熱唱。会場から大きな拍手を受けた。館内外では煮干しラーメンなどの出店もあり盛況だった。
 愛媛県から訪れた福井県立大大学院1年の武田亜可理さん(24)は「いろんな業種の人が集まる貴重な機会。魚食文化発展へのきっかけになる」と話した。
 

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