男子テニス世界2位の22歳シナーが自身の責任感について言及!「自分自身を子どもたちの模範として示すことができている」<SMASH>

男子テニス世界ランク2位のヤニック・シナー(イタリア)が、母国のスポーツ新聞『Gazzetta dello Sport』が発行する週刊誌『Sportweek』のインタビューに登場。プロテニス選手としてのキャリアを歩む上での「責任感」について、自身の考えを語っている。

今年1月の全豪オープン(オーストラリア・メルボルン)で悲願の四大大会初優勝を果たした22歳のシナー。今季の通算成績においても25勝2敗という驚異的な数字を残しており、来月下旬に開幕する「全仏オープン」(5月26日~6月9日/フランス・パリ/クレーコート)での四大大会2勝目にも大きな期待が寄せられている。

そんなシナーの一番の武器は何と言っても成熟したメンタルだ。それは試合中の振る舞いだけではなく、彼がメディアでの取材で口にする言葉にも表れているのがわかるだろう。今回のインタビューでもシナーは自身が直面する責任感について、以下のようにまだ22歳とは思えないコメントを発している。

「キャリアの現時点で一つだけはっきりしていることがあるとすれば、勝利も敗北も人間としての僕を変えることはない、ということだ。僕は常に僕であり続ける。

現段階で誇りに思うことが一つあるとすれば、(すでに)自分自身を子どもたちの模範として示すことができているということだ。そこには大きな責任が伴うことはわかっているが、13歳で家を出た時からそういう類の責任を負い始めたから、そのことを恐れてはいない」
とはいえプロテニス選手になるという夢を叶えるために家族と離れて暮らすようになってからしばらくは「両親がいなくてとても寂しかったし、悲しい時には電話もした」という。それでも「家族が夢を追いかけるように励ましてくれた」ことや「僕がテニス選手になるチャンスを得るために一日中働いて多大な犠牲を払ってくれた」両親の姿がモチベーションの源になったとシナーは語る。

「そのこと(両親が自分に一生懸命になってくれたこと)が、僕にもっと努力するための必要なモチベーションを与えてくれた。彼らは僕に、最善の形でやってくる全てのものを受け入れ、自分の規律に忠実であり続けることの重要性を理解させてくれた」

そしてインタビューの最後には、パリ五輪での金メダル獲得や今シーズン中での四大大会2勝目、さらには同郷の先輩であるマテオ・ベレッティーニ(元6位/現98位)と共に母国の2度目のデビスカップ(男子国別対抗戦)優勝を成し遂げることを現在の目標に掲げたシナー。まだまだ伸びしろ十分の22歳が、今後もどんな活躍を見せてくれるのか非常に楽しみだ。

文●中村光佑

© 日本スポーツ企画出版社