「女子ソロ車中泊」の室内アレンジ! 「車中泊用」純正&専用キット「コストと使用感」レポート

初めての車中泊はシュラフに電気毛布を入れて(撮影:紀元 すず)​​

キャンプブームにのって、テントを10張も購入してしまった筆者。テント泊が当たり前で、車中泊なんて軟弱と考えていた。キャンプに慣れ始めると、重装備だった頃から一転、だんだん身軽でキャンプへ行ける様になってきた。

ソロ女子キャンプを楽しんでいたが、女性のソロキャンプに不安がないかと言えば、やはり全く心配ないとは言えない。近年では、クマ出没のニュースを見ることが増えてきた。また女性ならではの怖い思いをしたというSNSを目にすることもある。十分備えたつもりでもやはり安全性への不安はゼロにはならない。

■ミニバン購入を検討

キャンプの回数を重ねるとその時々で自分のスタイルも変化する。まだ慣れていない時期には、とにかく大荷物で準備も片付けも大変だった。慣れてくると軽量化にこだわりだした。身軽で出かけ、ミニマルなキャンプを楽しんだ。しばらくすると軽量化キャンプが味気なく感じ、こだわりの好きなギアに囲まれ、テント内ではお気に入りのインテリアを楽しむといった具合だった。

そんな中、徐々にミニバンに興味を持ち始めた。セダンしか所有したことがなかった筆者がワンボックスやミニバンを乗りこなせるのか不安はあったが、やはり荷物をたくさん載せられる車はキャンプに向いている。

しかし、ぬかるんだ泥道や石がゴロゴロしているような舗装されていない道を一人で運転して出かけるとなると、人気のSUVにすべきではないかと悩んだ。ただ車中泊することも考慮するとフルフラット化が可能である車が欲しかったので、フルフラット化が難しいSUVの購入に踏み切れないでいた。

■三菱「デリカD:5」購入を決意

デリカD:5(撮影:紀元 すず)

そんなとき、「デリカD:5」を知った。ミニバンでありながらSUVの特徴を持ち合わせている。つまり、沢山の荷物の積載が可能でありながら、悪路走行も可能なのだ。キャンパーにとって最高な車ではないか。筆者が車を探し始めた時点で、このミニバン+オフローダーという仕様になっている車は、国内ではデリカD:5のみであった。広い室内空間で車中泊も可能である。

■DIYで車中泊

早速デリカD:5(グレードP/7人乗り)の購入を決意。納車までの間、ひたすら車中泊DIY系の動画や記事を観て準備を始めた。しかし実際に準備を始めると、理想の車中泊仕様にDIYするためには、筆者には使えなさそうな工具や部品が必要で、YouTubeでは簡単そうに見えてもハードルが高いことがわかり断念。

次に100均で工具なしのDIYでカーテン等の装着を試みたが、ぴたりとはまらないサイズ感に不安を覚えた。女性のソロキャンプでは、やはり目隠しには気を付けたい。

■車中泊専用キット

試行錯誤の結果、ワンタッチサンシェードとモスキートネットについては、三菱のメーカー純正品を購入、その他についてはデリカ用の既製品で車中泊専用キットを揃えることにした。

かかった費用は、8万3597円(ベッドキット 3万6800円 + サンシェード 4万6797円)。マットは、もともとテント泊で仕様していたDODの「ソトネノキワミM」が偶然にもぴたりと収まるサイズであったため、追加購入することなく利用している。

決して安い金額ではないが、フラットなマットの上でストレスなく寝られることは、なにより快適であった。また、サンシェードはぴたりと枠にはまる形状で隙間がなくフィット感がよいので、付けはずしも短時間で行える。材質についても、軽量形状記憶のウレタンフォームが撥水機能付の生地で覆れているという高品質なもので、耐久性も高く長期間使用可能であろう。

当初車を購入する際、流行りのカスタムパーツで外装のアレンジも検討したが、カスタムせず、その分の予算でベットキット等を購入したことに大変満足している。

●ベッドキット

デリカD:5 ベッドキットLITE
価格 3万6800円

●サンシェード

デリカ D:5 新型対応 カーテン サンシェード
価格 1万7900円(税込)

三菱 デリカD:5ワンタッチサンシェード
純正品番 MZ518088【CV1W】27-5
価格 1万7556円(税込)

●モスキートネット

三菱 デリカD:5ワンタッチモスキートネット
純正品番 MZ518065【CV1W】27-6
価格 1万1341円(税込)

●マット

ソトネノキワミM
CM2-650-TN
価格 2万7500円(税込)

■車中泊をしてみて

納車後、さっそく車中泊へと出かけた。デリカD:5は女性でもとても運転しやすい。唯一の難点は筆者は背が低いため、運転席に乗る際に小さくジャンプして乗り込む感が否めない点である。車中泊はとても快適であった。寒さ対策についてはテント泊と同様の準備が必要であるが、雨や風などの悪天候への備えやクマなどの動物対策への安心感は抜群であった。また、外を気にせず車中が自分だけの特別な空間に感じられたのは、純正品の間違いないフィットがあってこそ。非常に満足度の高い購入品となった。

 車中泊に十分の広さの車内空間(撮影:紀元 すず)​​

これまで比較的恵まれた天気予報の時にキャンプへ出かける傾向があったが、車中泊ができればそこまで慎重に予報を気にせずとも出かけやすくなる。今後は「デリカD:5」を相棒に、キャンプの回数を増やしたりRVパークを利用したりして行動範囲を広げたい。また、パソコン作業ができるデスクを設置するなどして、デリカD:5の室内空間を更に自分だけの特別な空間にして車中泊を楽しみたい。

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