コマンダースがドラフト指名見込みのQBについて下調べを「していない」とRBエイケラー

オースチン・エイケラー【AP Photo/Adam Hunger】

西海岸から東海岸に移り、所属するカンファレンスも変えたランニングバック(RB)オースチン・エイケラーは、またしてもドラフト1巡目指名されたクオーターバック(QB)とバックフィールドを共有することになりそうだ。

この7シーズン、ドラフト1巡目指名を受けたフィリップ・リバースやジャスティン・ハーバートとプレーしてきたエイケラーは、2024年にワシントン・コマンダースの一員として最初のシーズンを迎える。コマンダースは2024年NFLドラフトの全体2位指名権を保持している上に、それを手放すことを計画していないため、エイケラーが新たな1巡目指名選手とプレーすることはほぼ確実だと言えよう。

コマンダースがルイジアナ州立大学(LSU)のジェイデン・ダニエルズとノースカロライナ大学のドレイク・メイのどちらを選ぶのか憶測が飛び交う中、意外なことに、エイケラーはまだ2人について下調べをしていないようだ。エイケラーは他の者と同様に、ただただ展開を見守っている。

エイケラーは最近、『SiriusXM NFL Radio(シリウスXM NFLラジオ)』でのインタビューで「あり得ない。下調べなんてしている時間はない。それは俺の仕事じゃない。それは運営陣に任せるよ。最終的に誰を選ぼうと、それがチームの選ぶ道なら、そのときにいくつか下調べをするつもりだ。でも、名前を教えてもらうまでは、誰が選ばれるのか心配すらしない」と語った。

どのクオーターバックが指名されても、エイケラーがその選手のルーキーシーズン――自身にとってはコマンダースの一員として臨む最初のシーズン――に大活躍する可能性は高い。

ロサンゼルス・チャージャーズでプレーしていた2023年、エイケラーはケガの問題を抱え、3試合を欠場したにもかかわらず、51回のレシーブを記録し、5年連続となるレシーブ50回突破を成し遂げた。

司令塔がリバースでもハーバートでも、エイケラーはパスゲームで頼りになるランニングバックであることを証明し、7シーズン中6シーズンで400レシーブヤード以上を記録している。

キャリア通算で8,239スクリメージヤード、トータルタッチダウン69回をマークしているエイケラーは今後、ダニエルズかメイ、あるいは、エイケラーと同じように今オフシーズンにフリーエージェント(FA)としてコマンダースに加入した、元1巡目指名選手のマーカス・マリオタからボールを受けることになりそうだ。

将来のQBについては研究していないものの、エイケラーはコマンダースのフランチャイズ改革のための土台作りに全力を尽くしている。

ジョシュ・ハリスがオーナーを務める2年目のシーズンにあたる2024年シーズンは、ジェネラルマネジャー(GM)アダム・ピータースおよびヘッドコーチ(HC)ダン・クインの就任初年度でもある。エイケラーはタイトエンド(TE)ザック・アーツやガード(G)ニック・アレグレッティ、ディフェンシブエンド(DE)ドーランス・アームストロング、ミドルラインバッカー(MLB)ボビー・ワグナー、ラインバッカー(LB)フランキー・ルブといった選手と同様に、新たにコマンダースと契約した多くのベテラン選手の1人だ。

コマンダースの1番手RBとなるエイケラーは、チームの雰囲気を決定づけようとしている。

「新しいオーナー、新しいコーチ、新しい顔ぶれと、たくさんの新しい動きがある。新たに加入したフリーエージェントの選手を含め、組織の多くの人にとってまっさらな状態だから、エネルギーは素晴らしい」とエイケラーはコメント。「つまり、俺たちは自らエネルギーをもたらしている。俺を含め、このリーグでリーダーを務めてきたベテラン選手が何人かいるし、俺たちは文化が重要なことも分かっている。だからこそ、俺たちはOTA(チーム合同練習)に参加して、お互いを理解し合い、知り合う中でそれを確実に構築しようとしている。一緒に時間を過ごして、刺激し合っている。お互いに、やり過ごしたり、怠けたりしないようにしている。そうやって早くから環境を整えておくことが、この先、自分にチャンスを与えることにつながると思う」

つまり、エイケラーとその仲間たちが基礎作りを試みる中で、新しいシグナルコーラーはその環境に落ち着くことを目指すことになる。その頃には、エイケラーも新しいチームメイトについて研究を始めているはずだ。

「ドラフトがどういうものになるか、どんな展開になるかは誰にも分からない。何が起ころうと、俺たちはここにいるメンバーでエコシステムを始動させなきゃいけない」と強調したエイケラーは「誰を連れてこようと、彼らを巻き込んで基準を示し、全員にそれを徹底させ、同時にいい時間を過ごせるようにする。そうすれば、秋になったときに勝利のチャンスを自分たちに与えることを楽しみにすることができる」と続けている。

【RA】

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