女子テニス元世界1位のムグルサが長期休養を経て現役引退を発表!「ユニークな経験であり素晴らしい旅でした」<SMASH>

女子テニスの元世界1位ガルビネ・ムグルサ(スペイン)は4月20日、地元スペインのマドリードで会見を開き、現役から退くことを発表。その内容をWTA(女子テニス協会)公式サイト他、複数のメディアが報じている。

現在30歳のムグルサは3歳でテニスを始め、2012年のマイアミ・オープン(アメリカ)でツアーデビューを果たすと、強力なストロークやネットプレーを武器に戦い、16年の全仏オープン、17年のウインブルドン、21年のWTAファイナルズなど計10大会で優勝。さらに15年のウインブルドンや20年の全豪オープンなど準優勝は計7回をマークした。

17年9月には世界ランキング1位に到達し、女王の座を4週キープしていた。また、ダブルスでも優勝と準優勝に5回ずつ輝き、15年2月に世界10位を記録するなど単複で活躍を見せている。

しかしそんな元女王もスランプに陥り、22年10月から5大会連続で初戦敗退を喫し、23年1月のリヨン大会を最後に戦線から離脱。同年4月には夏まで休養すると宣言していたものの、この程そのままコートに戻ってくることはなかった。
ムグルサは25年にわたるテニス人生を振り返り、以下のようなコメントを残した。

「25年前に初めてテニスボールを打ち始めた時、私がプロテニスプレーヤーになってローランギャロスとウインブルドンで優勝して、世界1位になって、WTAファイナルズで優勝するという夢が叶うよと、もし誰かが言ったら、私はこの人は頭がおかしいと思ったでしょうね。

テニスは、人生の最初の頃に多くのものを与えてくれました。それはユニークな経験であり、素晴らしい旅でした。世界中を旅して、さまざまな文化を体験してきました。私を助け、付き添ってくれたすべての人々に心から感謝しています」

また、ムグルサのコーチを務めた同郷の元世界2位、コンチータ・マルチネスさんは
「ガルビネと一緒に仕事ができたことは光栄でしたし、彼女がアスリートとして成長し、私たちの国や世界中の多くの人々にインスピレーションを与えているのを見ることができたのは光栄なことです。

ビリー・ジーン・キング・カップで一緒に過ごしたこと、彼女が世界1位になったこと、ウインブルドンやWTAファイナルズでの活躍など、とても感傷的な気持ちになりました。私たちは特別な絆を築いてきたし、彼女の将来が良いものばかりであると願っているわ」と語っている。

ムグルサは日本開催の「東レ パンパシフィックオープン」のシングルスで予選を含め8回出場し、15年には優勝するなどその歴史に名を刻んだ。また同時に力強いプレーだけでなく、そのキュートな笑顔がとても魅力的で日本でも多くのファンを魅了した。

彼女の戦線復帰を待ち望んでいたファンにとっては寂しい話だが、また違ったかたちでもいいので日本で再びその姿を見せてほしいものだ。

構成●スマッシュ編集部

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