『アクマゲーム』潜夜に敗れた照朝の“大きな賭け” 竜星涼の魅力的なキャラクター造形が光る

織田照朝(間宮祥太朗)がついに天才ギャンブラーの潜夜(竜星涼)と対戦することになる『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)第3話。

「アクマゲーム」によって宮ノ内グループ会長・宮ノ内(阪田マサノブ)から会社の経営権を奪った潜夜は挑発するように照朝を呼び出す。そして「アクマゲーム」を仕掛けるが、今回のその内容は「五印一当~Five One~」。5種類のカードがそれぞれ3枚ずつ全部で15枚ある中で1枚が黒塗りされており、そのシンボルが何か当てるというものだ。互いに3枚ずつカードが配られ、黒塗りカードについて推理していく。自身の手持ちのカードを相手に見せる「オープン」を使えば、同じ枚数だけ新たな手札が配られ、より推理しやすくなる。

「理論派はギャンブラーにとってばか以上のカモ」とは潜夜の言葉だが、理論というのはそのロジックさえわかってしまえば、簡単に相手が導き出すであろう答えに同じようにたどり着ける。“読まれてしまえる”のだ。

照朝の親友の初(田中樹)の反応も参考に、ゲームを優位に進める潜夜は、まさにスリルジャンキーなギャンブラーそのもの。潜夜役の竜星涼は一癖も二癖もある豪快な役どころを演じることが続いている。『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)での主人公・三星大陽役や、NHK大河ドラマ『光る君へ』の藤原隆家役など、破天荒で型にはまらない魅力的なキャラクター造形が上手い。

本作でも、常にスリルを求め相手を煽る、振り切れたハイテンションを見せる潜夜と、その挑発に乗せられてしまわずに、ポーカーフェイスの照朝の対比が効いていた。騙し騙されの応酬で、最終的には潜夜の何重にも張り巡らされた作戦勝ちに終わった。

潜夜自身にも家族を理不尽に奪われた過去があり「責任なんて聞こえのいい言葉だけど、それって自分の人生を生きてるって言えるのかな?」など挑発だけではない的を射る発言が光る。照朝が負けた際にも「“責任”っていう重い足かせを外せる」と表現していたが、潜夜としてはあまり自分を責めすぎることのないようにという、照朝への配慮が含まれていたようにも思える。

そして勝利の条件に掲げていた「自分が言うことを何でも3つ聞く」については、照朝に犬のように「お手」「お回り」をさせ、残り1つは楽しみにとっておくとした。

正反対かに思える照朝と潜夜だが、最終的に大きな賭けに勝ったのは照朝だったとも言える。スリルジャンキーな潜夜に対して、「その鍵、俺にベッドしないか?」「俺のこの計画に乗って味わえよ、最高にイカれたスリリングな時間を」「俺が面白くしてやるよ、お前の人生」と畳み掛けるように放たれる照朝の言葉に、潜夜は彼と手を組むことを決めた。互いに持ち得ない強みを備えた2人が力を合わせた時、どんな化学反応が生まれるのか楽しみだ。お互いをどう乗りこなし、利用し合うのか、そしてそんな中にも芽生えそうな2人の間の友情にも注目したい。

亡き父・清司(吉川晃司)のために崩心祷(小澤征悦)への復讐を誓った照朝だが、崩心率いる「Gungnir(グングニル)」とはどんな組織なのだろうか。宿敵と手を組み強力なパートナーを得た照朝の前に、次に送り込まれるのはどんな刺客なのか。

(文=佳香(かこ))

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