「現代アートに関心を」 横浜トリエンナーレの鑑賞ガイド、横浜の小中高生に配布

横浜市内の児童生徒に配布した3種類の「横浜トリエンナーレガイド」。広げるとゲームや読み物として楽しめる内容になっている

 現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」の鑑賞ガイドの配布が横浜市内の全小中高校など約650校で始まった。今回のトリエンナーレは18歳以下の入場料が無料。子どもたちに美術館やアートを身近に感じてもらうための工夫をガイドにちりばめ、「少しでも気になる部分があったらぜひ来場を」と呼びかけている。

 ガイドは対象年齢に応じて3種類を作製。小学1~3年生向けには作品の楽しみ方などを伝えるすごろく、同4年生~中学生向けには冒険しながら作品や作家に触れるゲームを用意。高校生向けにはアーティストやデザイナーのインタビューなどを盛り込む読み物に仕立てた。担当者は「ガイドを囲み、家族や友達と遊んだり対話したりすることで横浜トリエンナーレや現代アートに関心を持つきっかけにしてほしい」と意図を説明する。ガイドは公式サイトからもダウンロード可能だ。

 8回目となる横浜トリエンナーレは横浜美術館(横浜市西区)や旧第一銀行横浜支店(同市中区)などで開催している。テーマは、中国の小説家魯迅(ろじん)の作品に由来する「野草:いま、ここで生きてる」。気候変動や戦争、経済格差など社会が危機感や絶望に覆われる中、個々人の人間性や勇気、信念、連帯にフォーカスし、希望を見いだす後押しをする。

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