春の静かな「マイペース登山」! 人気集中の「高尾山」の南東「草戸山」ハイキング

草戸山の山頂標識(撮影:品川 晋作)

春は多くの人にとって新年度のスタート。

あれこれとやることが多く、仕事だけでなく雑事に忙殺されがちな季節でもあり、本格登山は時間・体力的に難しくなってくる。

低山ハイキング好きの筆者が、そんな時に歩いているのが、高尾駅から草戸山(くさとやま)を目指し、高尾山口駅にゴールするコース。

うららかな日差しを感じられ、萌え始めた山の緑を感じながら歩くことができるので、山歩きの雰囲気を味わう春のハイキングにぴったりなのだ。

今回は紹介と合わせてコースの近況もレポートするので、ぜひ最後までご覧いただきたい。

■高尾駅をスタート、四辻へ

高尾山口駅と比べ街中の駅という雰囲気が強い高尾駅を出て、まずは南へ進路を取る。

駅前を南進後は住宅地へ入り、三和団地方面へ西進して四辻への道標をまずは目指す。

四辻方面への道標に従いトレイルに入ると、ローカルルートながら踏み跡が濃く、はっきりした道筋が残っている。途中には手作りらしい小振りな道標もあり、地元ハイカーに愛されているトレイルなのだと分かる。

四辻へ近づくと高尾山口駅の発車ベルなどが聞こえるが、そこまでの道程では二組のベテランハイカーと出会っただけで全体的に静かなトレイルを歩くことができた。

春の日差しが暖かいトレイル(撮影:品川 晋作)

■四辻から草戸峠

四辻には高尾山口駅から合流するルートがあり、ここからはハイカーやトレイルランナーが増え、筆者も数組のランナーに追い越された。

四辻から草戸峠までは小さなアップダウンを繰り返す尾根道を歩き、道標も細かく設置されているため道迷いの心配は殆どないだろう。

ただし、いくつかの注意点もある。

四辻から歩いて最初に出会う道標には「高尾山口駅↑」と手書きで書き込まれているが、道がないので向かわないでほしい。

次いで、高尾霊園の東側を歩くマイナールートとの合流地点。

ここから先は拓殖大学の敷地と接しているため、フェンスが設けられている。このフェンスには所々有刺鉄線が用いられているため注意が必要だ。

そういった注意点はあるものの、四辻から草戸峠までには廃鉄塔の下をくぐるなど他のルートではなかなかできない体験もあり、草戸峠からは高尾山の山容を垣間見ることができるので、個人的には歩いていて最も楽しい区間だった。

小休止をするのに良さそうなベンチ。日当たりも良好だ(撮影:品川 晋作)

■草戸峠から草戸山

草戸峠からは高尾山が望める(撮影:品川 晋作)

草戸峠まで辿り着けば草戸山まではあと少し。

山頂直前には少々きつい登りがあるが、峠からは10分程度で明るく開けた草戸山山頂(標高364m)へ到着。

山頂にはお社、テーブル付きベンチ、案内板、山頂標識がある。

城山湖を望めるのだろう展望デッキは残念ながら立ち入り禁止(2024年3月14日時点)だったが、北側斜面は樹木が伐採されて八王子方面の街並みが望める。

グループで来た場合には4人が余裕を持って座れるテーブル付きベンチの利用がおすすめだ。

草戸山から城山湖方面、三沢峠方面へとさらに足を延ばすことも可能なので、ロングハイクを楽しみたい方は挑戦するのもいいだろう。

■草戸山から林道と車道を繋いで高尾山口駅へ

ゴールに設定した高尾山口までのコースは、梅の木平の分岐まで戻る。

梅の木平の分岐は、小さいので見落とさないように注意してほしい。

この分岐から林道に合流するまでは一本道で迷うことはないだろう。

間伐された針葉樹林の間を下っていくが、足元には枝葉が積もっていたり、前々日の雨が小さな流れとして残っていたりする場所もあるので、転ばないように集中を切らさないでほしい。

林道に合流してからは平坦な砂利道になるので、舗装路ほどではないが安心して歩ける。そして、林道から車道へ合流し、高尾山方面へ北上。道なりに歩いていけば、高尾山口に到着する。

■紹介したルートを歩く際の注意点

紹介した高尾駅をスタートし、草戸山へ登頂して高尾山口へゴールするルートにはいくつか注意点がある。

まずコース上にはトイレがないため、スタートの高尾駅か、ゴールの高尾山口駅で利用することになる。また売店などもないので、水や食料などはしっかりと準備してほしい。

ハイキングコースではあるが、山中を歩くということを忘れず、しっかりと地図やコンパスを携行し、安全に春のハイキングを楽しんで頂ければ幸いだ。

コースタイム:約3時間40分(休憩時間含まず)
高尾駅→(約80分)→四辻→(約60分)→草戸峠→(約10分)→草戸山→(約20分)→梅の木平分岐→(約15分)→梅の木橋→(約35分)→高尾山口駅

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