4試合で36失点…中日は「ずるずるいく可能性」 失った首位の座、喫緊の課題

中日・立浪和義監督【写真:橋本健吾】

先発・松葉が5回まで無失点の好投も6回に3ランを被弾

■阪神 3ー0 中日(21日・甲子園)

中日は21日、敵地・甲子園で行われた阪神戦に0-3(7回降雨コールド)で敗れ、首位の座から滑り落ちた。先発の松葉が5回まで2安打無失点と好投したが、6回に痛恨の3ランを被弾した。これでチームは4連敗。開幕直後からの勢いに陰りが見え始め、野球評論家の新井宏昌氏は「投手陣を整備しなければ、ずるずるいく可能性はある」と指摘した。

好投も一発に泣いた。両チーム無得点で迎えた6回。1死から中野、森下の連打などで2死一、二塁のピンチを背負うと、佐藤輝に右翼席へ3ランを浴び力尽きた。打線は阪神・才木の前に4安打無得点に封じられ、7回の攻撃が終わった直後に降雨コールドが成立した。

松葉が浴びた痛恨の一発に新井氏は「前日までにリリーフも多く使い、1イニングでも長く投げてほしい場面。やや気の毒なところもあった。ただ、フルカウントになったところで状態の良くないノイジーと勝負する選択肢もあった」と、勝負の場面を振り返った。

これでチームは4連敗。17日のヤクルト戦まではリーグトップのチーム防御率1.74をマークしていたが、この4試合で防御率3.18に悪化した。4試合の総失点は36にのぼる。18日のヤクルト戦(バンテリン)は先発・柳が4回途中6失点。19日からの阪神戦はメヒアが4回4失点、大野雄が2回途中6失点とゲームを作れず。この日の松葉は粘りの投球を見せたが、打線の援護に恵まれなかった。

「もう一度、投手陣がゲームを作る展開に…」

好調のチームを開幕から引っ張ってきたのは間違いなく投手陣。ただ、僅差のゲームが続き、開幕から一回りを終え疲労が見え始めてきたのも事実だ。“投壊”寸前の現状に「今の中日は典型的な『野球は投手』という戦い方。本来なら疲れが見え始めたところで打線がカバーできればいいが……」と口にする。

1番に岡林が復帰し、カリステ、中田、細川の中軸もある程度の成績を残しているが、チーム51得点はリーグ5位。課題だった「得点力不足」は解消されていない。現在2軍にいるビシエド、石川昂ら打力ある選手に期待したいところだが「守備位置も被り、爆発的に上がることは難しい」と、投手力の復調が必要不可欠とみている。

23日からは引き分けを挟み3連敗中の3位・巨人と対戦する。「もう一度、投手陣がゲームを作る展開に持ち込みたい」。2年連続最下位から進化した姿を見せるため、ここが踏ん張りどころだ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

© 株式会社Creative2