交通事故や特殊詐欺防止へ豊後大野署が啓発動画 署員出演「被害減らしたい」【大分県】

横断歩行者妨害編の一こま。横断歩道では歩行者優先であることを説明している
横断歩行者妨害編の一こま

 【豊後大野】全国的に多発する交通事故や特殊詐欺を減らすため、豊後大野署は署員が出演する啓発動画4本を制作した。横断歩道の歩行者優先や詐欺の手口などを分かりやすく説明。豊後大野市内で開く交通安全講話などで上映するほか、動画投稿サイト「ユーチューブ」の県警公式チャンネルで公開している。

 動画は▽横断歩行者妨害▽飲酒運転▽サポート詐欺▽投資詐欺―の各編。署員でつくる「ごとう劇団」がシナリオと出演を担当した。撮影や編集は専門業者に委託し、1分半から2分半ほどにまとめた。制作費は県警察官友の会豊後大野支部が負担した。

 横断歩行者妨害編は横断歩道を渡ろうとしている高齢者の前を乗用車が通過。車を止めた署員と運転手のやりとりを演じている。

 「渡ろうとしているかなんて分からない。左右を見たかっただけかも」と反論する運転手に対し、署員は「左右の確認中や一歩を踏み出そうとしている人がいれば停車は必要。確認するために徐行の義務がある」と指導している。

 飲酒運転編では、酒を飲んで運転した人だけでなく、車や酒の提供者、同乗者も罰せられることを説明。

 サポート詐欺編は「ウイルスに感染している。サポートセンターに電話を」とパソコンに警告画面が出た想定。投資詐欺編は「株でもうけませんか」と交流サイト(SNS)にメッセージが来たという内容になっている。

 県警公式ユーチューブで横断歩行者妨害編を公開中。今後、月に1本ずつ増やす予定。

 橋本英尚副署長(58)は「短い動画なので飽きずに見ることができる。多くの人が見て、一件でも事故や詐欺が減るようにしたい」と話した。

<メモ>

 2023年に豊後大野署管内で発生した交通事故は734件(人身34件、物損700件)、特殊詐欺の認知件数は3件(被害額計10万6600円)。交通事故は商業施設などの駐車場内で起きたものが多く、全体の約3割を占める。特殊詐欺は3件とも架空料金を請求する手口。コンビニなどで買った電子マネーの利用番号を伝えるように指示され、だまし取られている。

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