茨城県北茨城市大津町で5月2、3日に開かれる5年に1度の大祭「常陸大津の御船祭」に向け、同祭保存会のメンバーらが21日、祭事船を滑らせるため路上に敷く「ソロバン」作りや町内にのぼりを掲げる旗柱の組み立てなどの作業を行った。
同祭は地元の佐波波地祇(さわわちぎ)神社の祭礼で約300年前から伝わる。豊漁や海上安全を祈願し、みこしを載せた大型の木造船を人力で引いて陸上を巡行する。
同日は保存会のメンバーが朝から集まり、それぞれ祭りの準備に当たった。ソロバンは木材を井桁状に組んだ道具で、長さ約1.5メートル、幅約60センチ。ソロバン係のメンバーらは、カシやサクラの木の棒を手際よく組み、くさびを打って固定した。今回の祭りにはソロバン約400個を使い、うち約80個を作ったという。
祭事船が通る道沿いの2カ所では、クレーン車を使って、木の旗柱(約15メートル)を埋め込み用の溝に設置。祭りに向けてのぼりが掲げられた。同市関南町仁井田の市漁業歴史資料館「よう・そろー」では祭事船の飾り付けも行われた。
ソロバン係の長を務める鐵庄一郎さん(47)は「しっかりと段取りして本番を成功させたい。町が盛り返し、みんなで『やって良かった』と言えるような祭りにしたい」と意気込んだ。