【保存版】節約したいならここをチェック!固定費見直しリスト 節約の専門家が作成

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家計を節約するならまず固定費の見直しから、とよく言われます。でも、固定費にもたくさんの種類があり、どういう点をチェックしたらいのかわかりにくいものも。そこで、節約アドバイザーの丸山晴美さんに、見直すべき固定費の種類とポイントを聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年3月時点の取材情報を基にしています。

みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「固定費見直しリスト」!

見直したい固定費1:スマホやWi-Fi、固定電話などの通信費

見直してほしい固定費を8つのグループに分けてリストにしました。それぞれのチェックすべきポインをご紹介しますので、見直す際の参考にしてください。

見直したい固定費1つめは通信費です。

【見直しポイント】
・固定電話やFAXは使っているか、今後も必要か
・固定電話は使っていないオプションに加入し続けていないか
・スマホの通信料が高すぎていないか
・モバイルルーターは本当に必要か

値上げが続いているなかで、通信費は値下がり傾向にあるジャンル。格安スマホや安い料金プランが多くあり、春はお得なキャンペーンも行われやすい時期なので、まずは通信費から見直しを始めましょう。

外出先でパソコンを使うときなどのためにモバイルルーターを利用している人も多いですが、スマホをルーターがわりにするテザリングにして、パソコンやタブレットをインターネット接続すれば、モバイルルーター分の費用を節約できます。

その場合、スマホの契約パケット量に注意しましょう。パケット量が大幅に増えるなら、契約の見直しをしましょう。

また、最近は固定電話が必要でない家庭が増えています。ほとんど使うことがない場合は固定電話をやめるのも一案。仕事などで必要な場合も、キャッチホンなどオプションで加入しているサービスをやめるなど、通信費は見直しの余地が大きい固定費と言えます。

見直したい固定費2:家賃や家での生活に関する費用

【見直しポイント】
・収入に比べて家賃が高すぎていないか
・家電、掃除用具、日用品のレンタルは本当に必要か

家賃の金額は収入の3分の1以下が基本ですが、お子さんが独立して夫婦2人になった場合などは、もっと下げることも可能です。老後資金を考え、今よりも小さな家や家賃が安い地域に引っ越すことを検討してみましょう。

ウォーターサーバーや掃除具のレンタルなどは、あれば便利ですが、なくても大丈夫な人も多いのではないでしょうか。余裕があるならもちろん活用してよいのですが、節約したいのであれば見直したい部分です。

見直したい固定費3:車に関する費用

【見直しポイント】
・本当に自家用車が必要なのか
・駐車場代や保険代はもっと安くできないか
・自動車税、車検代、ガソリン代などで安くできる工夫はないか

車を1台手放すことで、自動車税や自動車保険、車検費用などかなり大きな金額の節約ができます。車がないと生活ができない場合は仕方ありませんが、2台以上車を持っている場合や、電動アシストつき自転車に替えても問題ないのであれば、車をやめることも検討してみましょう。

たまに使うだけならば、カーシェアやレンタルを利用することで節約になります。

見直したい固定費4:保険の内容や料金について

見直しポイント】
・生命保険や損害保険は、現在の生活に適切な保障内容と金額になっているか
・クレジットカードの保険とかぶりがないか

保険は保障や補償が現在の生活に適切か検討し、同じ保障でもっと安い保険はないかも探してみましょう。

クレジットカードには旅行中のトラブルに備えられる旅行傷害保険や、クレジットカードで購入した品物の破損や盗難を補償するショッピングガード保険などの「付帯保険」があるものが多くあります。

自分が利用しているクレジットカードの付帯保険を確認し、内容がかぶっているものがあればその補償を外すなど、整理することも大切です。

見直したい固定費5:銀行や証券会社など金融関連

【見直しポイント】
・紙の通帳や振込用紙を利用していて、その手数料を支払っていないか
・銀行や証券会社の口座管理手数料や振込手数料などで、なくせるものはないか

紙の通帳や振込用紙にかかる手数料は、銀行の専用アプリなどに切り替えることで節約できるケースがほとんど。この傾向は今後も続きますので、紙の通帳が不要なら積極的にアプリへ切り替えましょう。

預金の引き出しや他行への振込手数料は、銀行によって「○回まで無料」としているところもあります。引き出しや振込をよくする場合は、手数料が無料になるネット専業銀行などに乗り換えることも検討しましょう。

新NISAを始めるための証券会社も、金融機関によっては口座管理料などの各種手数料がかかることが。ネット証券など口座管理手数料がかからず、売買手数料が安い金融機関を選ぶのも大切なポイントです。

見直したい固定費6:美容や健康に関わる費用

【見直しポイント】
・定期購入しているサプリや健康食品、ダイエット食品は本当に必要か
・スポーツジムやヨガなどの加入しているものをきちんと利用できているか

定期購入しているものがあるなら、その効果が出ているのか、本当に必要か、もう1回考えてみましょう。

スポーツジムなどは、最初の数カ月は通ったものその後は月1回も行けていないというパターンになりがち。今は自宅でできるトレーニング方法を教えてくれる無料動画もたくさんありますから、宅トレに切り替えるのも一案です。

見直したい固定費7:趣味・娯楽に関する費用

【見直しポイント】
・新聞は本当に必要か
・動画配信や音楽配信、花や菓子など、加入しているサブスクで利用していないものはないか
・ファンクラブやYouTubeメンバーシップ、ニュースサイト、リゾート会員など会員料がかさんでいないか

私たちの生活には、定額料金を支払って商品やサービスを利用するサブスクがたくさんあります。新聞もそうですし、動画配信や音楽配信、花や菓子などの定期購入もサブスクです。

サブスクは習慣になりやすいので、それほど必要でなくなっても惰性で続けてしまいがち。加入しているものが本当に必要か、今一度洗い出してみましょう。

また、加入したつもりがないのに、クレジットカードからの引き落としが続いている可能性がありますので、毎月チェックをして、記憶のない利用についてはクレジットカード会社に問い合わせをしてみるのも一案です。

見直したい固定費8:そのほかクレジットカード年会費やおこづかいなど

【見直しポイント】
・年会費がかかるクレジットカードやETCカードは本当に必要なのか
・すべて見直してさらに節約が必要なときだけ、おこづかいの金額の見直しも

クレジットカードやETCカードの年会費は、1つ1つは安くても数年払い続ければ大きい金額に。会員費無料のカードでこと足りるなら、今すぐ解約の手続きをしましょう。

おこづかいも一応固定費ですが、これを親の都合で上げ下げするのはできる限り避けたいところ。通信費や家の費用、サブスクなどを徹底的に見直し、そのうえでどうしても生活費を捻出する必要があるというときだけ、パートナーや子どもと相談しながら見直しましょう。

新年度は始まったばかり。このタイミングでしっかり固定費を見直し、やりくりしやすくしていきましょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。

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取材・文/かきの木のりみ

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