世界6位ルードがATP500初制覇!バルセロナOP決勝でチチパスにリベンジを果たす「この優勝を本当に待ち望んでいた」<SMASH>

男子テニスツアーのATP500シリーズ「バルセロナ・オープン」(4月15日~21日/スペイン・バルセロナ/クレーコート)は現地21日にシングルス決勝を実施。第3シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/世界ランク6位)が第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/同7位)を7-5、6-3のストレートで下し、同カテゴリーでの初優勝を飾った。

前週の「モンテカルロ・オープン」(モナコ・モンテカルロ/ATP1000)の決勝でも対戦した両者。この時はチチパスが6-1、6-4でルードに快勝し、殊勲のマスターズ3勝目を飾っていた。だが早くも再戦が実現した今回の決勝はルードが、圧巻のパフォーマンスを披露。マッチ10連勝中と絶好調のチチパスを相手に見事リベンジを果たして見せた。

序盤は硬さが見られたルード。開始直後の第1ゲームでは、ストローク戦でのミスやダブルフォールトを重ねていきなりブレークを許してしまう。それでも「先週よりも相手に思い通りのプレーをさせないようにしようと思っていた」というルードがここから反撃を開始。第5ゲームをしっかりとキープすると、第6ゲームではポイントを先行したルードが、ブレークポイントでチチパスのボレーミスを誘ってチャンスをものにし、試合を振り出しに戻す。

波に乗るルードは、高い打点から打ち下ろす強烈なフォアハンドや、随所でのバックハンドのダウン・ザ・ラインを軸にポイントを量産。最終第12ゲームで2度目のブレークを果たして第1セットを先取すると、勢いそのままに第2セットでも第4ゲームで先にブレークを奪う。そのリードを保ったまま迎えたサービング・フォー・チャンピオンシップは、ラブゲームでキープ。1時間29分で価値あるATP500初優勝をつかみ取った。
この結果、ルードはツアー決勝での連敗を5でストップ。昨年4月の「エストリル・オープン」(ポルトガル・エストリル/ATP250)以来約1年ぶりとなるタイトル獲得を果たした25歳の若武者は、決勝戦の内容や今大会のパフォーマンス、さらには激動の2週間を振り返りつつ、次のように喜びを語った。

「ブレークバックできた第1セットを取り切れたのが大きかった。長い2週間だった。お互いにそうだったと思う。お互いにフィットな状態でプレーできたのが良かった。第1セットを取った方が有利だと最初から思っていた。何度も決勝で苦い思いをしてきたから今回は勝てて良かった」

「この優勝を本当に待ち望んでいた。こんなに多くのファンに来てもらって最高の気分だ。子ども(ジュニア)の頃からチチパスのことはすごい選手だと知っているから、勝ててうれしいよ」

なおルードは今回の優勝により、11月にイタリア・トリノで行なわれるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」(ハードコート)の出場権獲得を懸けたレースランキングで4位から3位に浮上することが確定。一方敗れたチチパスはバルセロナ決勝4連敗に加え、ATP500決勝11連敗を喫すという不名誉な記録を樹立することとなってしまった。

文●中村光佑

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