世界一作るのが難しいお菓子…イタリア発祥「パネットーネ」って知ってる? 世界大会に出場する日本代表が鹿児島にいた

パネットーネを持つ上原力さん=鹿児島市武岡4丁目

 鹿児島市武岡4丁目の「TAK BAGERI CAFE(タック バゲリ カフェ)」代表の上原力さん(41)が、イタリアで11月に開催される伝統菓子「パネットーネ」の世界大会に日本代表として出場する。2月に日本パネットーネ協会が主催して東京であった選考会の「チョコレート部門」で優勝した。材料には鹿児島産の塩も使用しており、「本場の審査員を驚かせ、鹿児島をPRしてきたい」と張り切っている。

 パネットーネはイタリア・ミラノ発祥の発酵焼き菓子。イタリア語で「大きなパン」の意味で、現地ではクリスマスケーキとして愛されている。世界大会では、パンに一般的に使われるイースト菌は使わずに昔ながらの方法で自家培養した酵母種を使用するなど、製造方法に厳密なルールがある。

 上原さんは、3年ほど前に本格的なパネットーネを初めて食べ、「パンとは違った食感や口溶け、香りに衝撃を受けた」。「鹿児島の人にも食べてほしい」と現地の専門書を取り寄せ、独学で技術を磨いた。自家培養酵母種は秘伝のタレのように原料を継ぎ足しながら使用。生地を作り始めてから完成するまでに3、4日かかるという。

 伝統的なパネットーネは「世界一作るのが難しいお菓子」ともいわれている。上原さんは「大会で最高の物を出せるようにしっかり準備して臨みたい。出場するからには1番を目指したい」と話している。パネットーネは店舗でも販売している。

上原力さんが作ったパネットーネ

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