カレーが7000円! 元添乗員が驚く、日本では考えられない海外のグルメ価格

海外での食事は高くつくことも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

歴史的な円安ですが、海外旅行への需要は回復傾向にあるそう。ゴールデンウィークに、久しぶりの海外に行く人も多いのではないでしょうか。世界約50か国以上を旅した元添乗員で、旅アドバイザー&トラベルライターのAnaさんによる連載。今回は海外で陥りがちな高額グルメについてです。

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海外での食事 思った以上に高額になることも

円安が続く昨今、日本人として海外旅行での物価の高さには驚くばかりです。ただ、せっかく海外に来たのだから楽しみたい! ここでしか体験できないのであれば、やるしかない! と、金額を度外視して払ってしまうもの。とはいえ、日本に帰って冷静になると「なんであんなに高かったんだろう……。日本ならまず払わなかっただろうな」と思うものってありますよね。

私にとってダントツなのが食事。旅の大きな楽しみのひとつですし、現地の味を楽しみたいので、できるだけ食費は惜しまない派です。ですが、よくよく振り返ってみると「あのとき、よくあんな金額を出して食べたな……」と感じることがあるのも事実。なかでも近年トップクラスの金額だったグルメを紹介します!

フィレンツェで食べた、7000円のカレー

昨年、イタリアの古都フィレンツェに行ったときのことでした。フィレンツェの名物グルメといえば、ビステッカと呼ばれるTボーンステーキ。以前食べたことがあったので「ここはあえて変化球で、食べたことがないものを食べよう!」と思い、いろいろと探していました。

そんなときに見つけたのが、フィレンツェ風のエビカレー。老舗の人気レストランで、ガイドブックにも載っていたのでランチで行ってみることにしました。

さすがは人気店で、予約の電話がひっきりなし。オープン直後の早めの時間に行ったので難なく入れましたが、帰る頃にはほぼ満席といったお店です。メニューはさまざまでしたが、私は看板メニューというエビカレー一択。

いわゆる日本のカレーやタイカレー、インドカレーとも違っていて、初めて食べる味でした。クリーミーで少しスパイシー、でもエスニックらしさは感じません。やはりイタリアンなんだろうな……というもので、これはこれでとてもおいしかったです。

フィレンツェの人気店で食べたエビカレー【写真:Ana】

こちらのお値段は45ユーロ。この目的のためにやってきましたし、ここでしか食べられません。しかし、ドリンク1杯とコペルト(いわゆる席料)を含めて、ランチ代は合計57ユーロ。当時のレートは1ユーロが160円程度だったため、カレーだけで7000円を超え、トータルで約1万円という結果でした。“カレー一皿”と考えると、コスパの面でなかなかの高額ランキング上位に入ると思っています。

カナダのカフェで、サンドイッチの朝食が3000円!

もうひとつがカナダで食べた、カフェでの朝食です。昨年、仕事も兼ねて友人が住んでいるカナダのモントリオールに約1か月滞在していました。このときもまた「せっかくだから!」とおいしい店探しにいそしむ日々。そこで人気のカフェ朝食を発見し、ひとりではなかなか行かないという友人も誘って行ってみることにしました。

オープンちょうどに合わせて行ってみるも、すでに行列が。それほどの人気店なのですが、ホテルのような高級感のあるカフェというよりは、ベーカリーのカフェのようなアットホーム感があり、ものすごい高級店! という雰囲気ではありません。

朝食メニューは、グラノーラ、サラダ、シナモントーストなどいくつか種類があったのですが、サンドイッチ的なおかず系のパンが食べたかったので、私はパニーニを注文しました。

モントリオールの人気カフェでオーダーしたパニーニ【写真:Ana】

中にハム、チーズ、卵が入ったパニーニサンドは26カナダドルでした。カナダドルのレートは当時から今と変わらず110円程度なので、2800円超え。大きさもだいたい手のひらサイズです。ドリンクのカフェラテと合わせて、ほぼ4000円でした。

日本ならカフェのサンドイッチでも高くて800円ほどなので、パン屋さんならもっと安く食べられるな……と。日本と比べること自体がナンセンスですが、いざ日本に帰ってきて冷静になると「なかなか高額だったな」と思ってしまうのです。

日本で500円の素うどんが、パリでは2000円超えというのもざら。海外で日本食を食べようと思えば、材料の価格や調達しやすさといったことも影響するので、高くなるのは仕方がないことです。

日本に戻ればいくらでも食べられるので、海外に行ったときくらい我慢すればいいのですが、なかなかそうもいきません。日本から離れて数日経つと、やっぱり恋しくなってしまうのが人間です。

そして帰国するたび、日本の食のおいしさと安さに脱帽。うれしさとともに「このクオリティならもっと値段が取れるのに……」と、かえって残念な気持ちになるのも正直な感想です。

Ana(アナ)
旅アドバイザー&トラベルライター。学生時代から海外旅行に魅了され、これまで世界約50か国をめぐってきた大の旅好きで、海外添乗員として活動していた経験もある。行った旅の数と比例して、経験してきたトラブルや事件は数知れず。コロナ禍を経て、再び海外へ飛びながら旅に役立つ情報、異文化を楽しむ知恵などを日々発信中。

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