『光る君へ』塩野瑛久、情に厚い一条天皇の心境を語る “レッド”竜星涼との再会も

吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。公式サイト内には出演者の撮影現場からのコメントが聞けるキャストインタビュー動画「君かたり」が公開されている。第16回「華の影」の放送後には、一条天皇役の塩野瑛久、藤原隆家役の竜星涼が登場した。

第16回では、中関白家が帝との親密さをことさらに見せつけた。劇中では、冬のあくる日、定子(高畑充希)がいる登華殿に招かれた若者たちが雪遊びをする。また別の日には、一条天皇が笛を吹き、定子が琴を弾いて伊周(三浦翔平)や弟の隆家(竜星涼)が舞を舞うなど、彼らは和気あいあいと過ごしていた。

一条天皇を演じる塩野瑛久は、先週放送された第15回で初登場を果たした。幼いころを演じていた柊木陽太から感じられたのは、幼いながらも天皇としての自覚を持ち始めた一面と、それでもやはり年ごろの子どものように遊びたいという素直な本心だった。第15回の中盤で一条天皇の役を受け継いだ塩野も、柊木が捉えていた一条天皇の心情を引き継ぐかのように、天皇らしい気品と若者らしい感性を見せてくれる。

塩野が見せるゆったりとしながらも気位のある所作に、公任(町田啓太)や斉信(金田哲)、行成(渡辺大知)との身分の違いが確かに感じられる。その一方で、古今和歌集の写しを受け取った時の明るい表情や雪遊びを楽しむ姿、若者たちとの賑やかな日々を過ごす姿などには、天皇という垣根を越えて周囲の人々と穏やかな日々を楽しむ一人の若者としての心が垣間見えた。

塩野は一条天皇について、天皇としての自覚は芽生えつつも、まだ若く、至らないところもあると自覚していると表しながらも、民に寄り添い、国をよくしようと一生懸命務める一条天皇の描写について「関白の言いなりになるのではなく、自分の頭で考え、自分で行動し、よき政を行っていこうという意志はすごく感じ取れるので、すごく聡明な、愛情深い天皇なんじゃないかなと思っております」とコメントした。

なおSNS上では、仲睦まじい一条天皇と定子について「一条天皇と定子さま素敵」「一条天皇と定子様なんとまあ麗しくてお似合いなことで」「一条天皇と定子様のカップルがもう尊すぎて、一生見ていたい……」といった声や、塩野演じる一条天皇の、まさに「やんごとなき人」といった麗しさについて言及する声があがっていた。

また第16回で初登場した藤原隆家役の竜星涼と塩野は、ともに特撮テレビドラマ『獣電戦隊キョウリュウジャー』(テレビ朝日系)に出演していた。キョウリュウレッドとキョウリュウグリーンの共演に「キョウリュウジャーキャストの共演でちょっと嬉しかった」「キョ、キョウリュウジャー!となってしまった」「キョウリュウジャー二人出て来て、元ニチアサファンにはたまらんかった」などのコメントも見受けられた。

一条天皇が道隆(井浦新)と対峙する場面では、一条天皇は民を思い、自らの考えを伝える。だが、道隆はそんな一条天皇をやんわりと制した。このやりとりに2人の複雑な力関係が感じられる。塩野はインタビューで「一条天皇は政としてきっちり自分が意志を持っていろんなことを決めていかなければならない中でも、情にも厚いというか、すごくそばにいる人を信頼したいって思うような人だと思うので」と話し、道隆のことを無下にはできないなと思いながらも、「ちょっと乱暴だなと思ったりする一面もあるんじゃないかなと思っています」と一条天皇の心境を語った。

今はまだ、一条天皇は道隆の考えを慮り、自らの意見を強くは主張していない。けれど道隆にやや強引な部分があると感じているからこそ、今後、道隆の意見をはねのけることがあるかもしれない。定子との微笑ましい関係性とともに、自分の政を進めていく一条天皇の成長にも注目したい。

(文=片山香帆)

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