築地市場跡地に約5万人収容の“可変性”マルチスタジアム誕生へ、商業・ホテルなど大規模複合施設も

築地市場跡地の再開発「築地地区まちづくり事業」により、マルチスタジアムや大規模商業施設が誕生へ。開業時期は、2030年代前半を予定。

築地市場跡地の大規模再開発

「築地地区まちづくり事業」は、三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループなどが推進する築地市場跡地における再開発。大規模な集客や交流を見込めるマルチスタジアムを中心に、「ウェルネスイノベーション」「食・体験・にぎわい」「迎賓・ホスピタリティ」の3つの主要機能を導入した再開発となる。

コンセプトは、「水と緑に囲まれ、世界中から多様な人々を出迎え、交流により、新しい文化を創造・発信する拠点」。水辺の東京を象徴する景観を創出し、水や緑、歴史を活かした“まち”を形成していく。

約5万人収容の大規模マルチスタジアム

注目は、約5万人収容の屋内全天候型施設のマルチスタジアム。可動席と仮設席を活用することで、用途に応じてフィールドと客席が形を変える可変性となっているのがポイントだ。ラグビー、野球、サッカー、バスケットボール、音楽ライブ、演劇といったように、様々なイベントの会場として利用できる。

最先端のデジタル技術と音響、演出装置により、臨場感、高揚感、没入感を楽しめるのもマルチスタジアムの特徴の1つ。また場面転換によって、最適な観戦、体験環境を整える。

ホテルなど大規模商業複合棟

様々な機能を集約させた商業複合棟は、ライフサイエンス・商業複合棟、MICE・ホテル・レジデンス棟、舟運・シアターホール複合棟、ホテル棟、レジデンス棟、オフィス・レジデンス棟、オフィス棟の計9棟で構成。そのうちの舟運・シアターホール複合棟には、日本の食文化を堪能できるフードホールや、文化・芸術の感動体験が可能な約1,200人を収容するシアターホールなどが誕生する。

また、2つのホテルにも注目。MICE・ホテル・レジデンス棟内のホテルは上質な大規模ホテルとなる。一方、浜離宮恩賜庭園の日本的景観を取り込み、ラグジュアリーな世界トップクラスの宿泊滞在機能を誘致する。

陸・海・空の次世代型交通拠点へ

さらに、陸・海・空を結ぶ次世代型交通拠点となることも目指す。東京駅と臨海部を結ぶ臨海地下鉄の新たな駅を作るほか、首都高晴海線出口と接続。加えて、隅田川沿いに観光・通勤の舟運ネットワークの拠点となる舟運施設、タクシーなどが乗り入れる交通ターミナルを建設していく。空飛ぶクルマの実用化を見据えたポートも建設予定だ。

概要

「築地地区まちづくり事業」
開業時期:2030年代前半以降(一部施設は29年度に先行開業)
所在地:東京都中央区築地五丁目及び築地六丁目各地内
活用都有地面積:約19万㎡
総延床面積:約117万㎡
主要建物:大規模集客・交流施設(マルチスタジアム)、ライフサイエンス・商業複合棟、MICE・ホテル・レジデンス棟、舟運・シアターホール複合棟など合計9棟、陸・海・空を結ぶ次世代型交通拠点
※内容は変更される可能性あり。

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