NHK脚本開発チーム“WDRプロジェクト”から誕生したドラマ「3000万」の放送が決定。安達祐実、青木崇高が出演

NHK総合では10月5日から、脚本開発チーム・WDRプロジェクトから生まれた土曜ドラマ「3000万」(土曜午後10:00、BSプレミアム4Kは土曜午前9:25)を放送。安達祐実青木崇高らが出演する。

2022年、NHKで新たに立ち上げられた“脚本開発に特化したチーム”WDR(Writers’ Development Room)プロジェクトでは、20本のオリジナルドラマを企画。その中から選出された「3000万」は、思わぬアクシデントと出来心をきっかけに、人生が激変してしまう家族を描く物語だ。ちょっとした選択ミスや過ちで「やり直し」は認められなくなるのか? 海外ヒットドラマの手法を持ち込み、誰もが余裕のない社会の痛みをえぐり出す“やみつきになるエンターテインメントドラマ”が誕生する。

海外ではシリーズドラマを制作する際、複数の脚本家が「ライターズルーム」という場に集い、共同執筆することが一般的だ。例えば“構成を考えることが得意な人”が“セリフを書くことを得意とする人”とコラボレーションすることで脚本を仕上げる。今回、当プロジェクトでは、応募総数2000以上の中から脚本家4人を選出。展開に行き詰った時も、共に悩み、互いのアイデアを掛け合わせ、おのおのの持ち味をかけ算することで、より完成度の高いドラマ脚本を開発した。

「3000万」に参加した弥重早希子氏は、大学卒業後にシナリオセンター大阪校、映画美学校脚本コースで脚本を学び、2019年「邪魔者は、去れ」で城戸賞佳作受賞。20年「どうした、逃げろ、ちょっとそこまで」が新人シナリオコンクール最終選考選出された。

弥重は「WDRプロジェクトという新しい挑戦に参加できたことをとてもうれしく思います。私にとっては初めての連続ドラマの執筆で、ハラハラドキドキの瞬間もありましたが『面白いドラマを作りたい』というシンプルだけど強い思いを同じくした作家チームの皆さん、演出の保坂さんやスタッフの皆さんと一緒に物語を生み出した時間は、とても豊かなものでした。完璧ではないけれど、どこか愛らしい登場人物が繰り広げる物語を、ハラハラドキドキしながら味わっていただけたらうれしいです。完成作品を楽しみにしています」と期待。

劇団シンクロ少女の主宰で、すべての公演で作・演出を務める名嘉友美氏は、「3000万」に携わり、「チームのみんなと物語を作り上げた日々も、完成した脚本も、ハラハラドキドキのジェットコースターのようです。この4人でなければ描けなかった、イッキ見したい物語が出来上がったと思います。ドラマの完成が本当に楽しみです。ぜひたくさんの方にご覧いただけたらと思います」と作品に手応えを感じている。

大学卒業後、脚本家の加藤正人氏、足立紳氏に師事し、脚本を学んだ山口智之氏は、これまで「ケーキの切れない非行少年たち」(NHK)などの脚本を担当してきた。今回のプロジェクト参加については「『WDRプロジェクトの精神に、大いに共感した』自分がここに飛び込むことを決めたのはひとえにそういう理由で、その精神が素晴らしいキャスト・スタッフ陣の手によって実を結ぼうとしていること、大変うれしく思います」と語り、「一同、とにかく面白い!と思っていただけるドラマをお届けしたい一心で日々取り組んでおります。皆さま、ぜひその目でお確かめを!」と思いの込もった作品であることをアピールしている。

松井周氏は、96年俳優として劇団青年団に入団し、07年に劇団サンプルを結成。作家・演出家としての活動を本格化させ、11年自慢の息子」で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。俳優・小説家としても活動している。「『面白いドラマの脚本をチームで作る』という目的から1mmもズレないプロジェクトで、最高の環境で脚本作りができたとあらためて思っています」と述べる松井氏は、「ほぼ全シーンを4人でチェックし、どの話にも複数の人のアイデアがふんだんに入っています。より深い領域まで踏み込んで話ができるチームになったと自負しています。この後、キャストやスタッフの皆さまがこの脚本でどんなふうに遊んでくださるか、楽しみです。また、視聴者の皆さまには、少しでも前のめりに、できれば画面にくぎ付け状態になってくれたらと願っています。よろしくお願いしす」とメッセージを寄せている。

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