『THE SECOND』「ノックアウトステージ16→8」2日目 金属バット2年連続ファイナルへ

結成16年以上の漫才師による頂上決戦『THE SECOND』(フジテレビ系)の本戦出場をかけた「ノックアウトステージ」の2日目が21日に行われ、5月18日の生放送に進む8組が出そろった。

前日の1日目では、タモンズ、ハンジロウ、タイムマシーン3号、ガクテンソクのグランプリファイナル進出が決定。いずれも初のファイナルとなるが、この日は金属バットが8組中唯一となる2年連続での決勝進出を決めた。

「ノックアウトステージ」の審査は、一般観覧者による投票制。100名が「とても面白かった:3点」「面白かった:2点」「面白くなかった:1点」で採点し、その合計点で競われる。今回はその結果を振り返りながら、『THE SECOND』ファイナルに臨む勝者たちのキャリアを簡単に振り返ってみたい。

■Dブロック

●母心:269点×金属バット:284点○

昨年の『THE SECOND』にトップバッターで登場し、マシンガンズの前に沈んだ金属バットが2年連続でグランプリファイナルにコマを進めた。

金属バットは、劇場に所属せず常にアウェイの舞台で腕を磨いてきた実力派コンビだ。『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)では2018年からラストイヤーとなる22年まで5年連続で準決勝に進出。21年の敗者復活戦ではハライチに次ぐ2位となり、その知名度は全国区に広がった。

昨年『THE SECOND』の「32→16」ステージで東京ダイナマイトとの対決が決まっていたが、ハチミツ二郎の体調不良により不戦勝。その後、東京ダイナマイトとツーマンライブを行うなど、そのドラマ性でも多くのファンの心をつかんでいる。

今年も優勝候補の一角。ここで戴冠し、「売れた金属バット」がどんな形でテレビに出ていくのかも見てみたいところだ。

■Hブロック

○ラフ次元:283点×モンスターエンジン:266点●

昨年の「16→8」ステージで王者ギャロップに1点差で涙をのんだラフ次元が念願のグランプリファイナル進出。

『M-1』では準々決勝が最高成績だが関西での人気は高く、すでにローカルながらレギュラー番組も獲得している。また、コロナ禍ではクラウドファンディングによる配信ライブを立て続けに成功させて話題を呼んでいる。ボケの空道太郎は22年に放送された『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)でも爪あとを残しており、その実力も折り紙付き。

甘いマスクもあり、今回の『THE SECOND』でインパクトを残せば、一気に全国区での活躍が見えてきそうだ。

■Cブロック

●ロビンフット:268点×ななまがり:274点○

昨年、ラストイヤーで臨んだ『M-1』敗者復活戦で抜群のインパクトを残し、今年に入ってからも『お笑いエスポワール号』(TBS系)、『水曜日のダウンタウン』(同)の「30-1グランプリ」を制するなど勢いに乗るななまがりも、初のファイナル進出。

16年『キングオブコント』(同)で決勝進出。19年には『水曜日のダウンタウン』の「新元号当てられるまで脱出できない生活」に出演して注目を集め、20年には森下直人が『R-1ぐらんぷり』でも決勝に残るなど実績は十分。

この日のロビンフットとの対戦では「16→8」ステージで最多となる審査員6人の「1点(面白くなかった)」票が入ったが、80人の「3点(とても面白かった)」を得て辛くも逃げ切った。好みの分かれる独特な芸風はファイナルでは不利に働く可能性もあるが、その爆発力で突き抜けてほしい。

■Eブロック

○ザ・パンチ:292点×かもめんたる:243点●

08年の『M-1』ファイナリストであるザ・パンチが捲土重来。ここでファイナルに進出してきた。『M-1』史上もっともスベったコンビとして今でも語り草にされ、さらに「死んで~」というフレーズが一部で問題視されるなど不遇もあったが、地道に舞台で腕を磨き、その漫才を進化させてきた。

この日獲得した292点は、前日のガクテンソクの293点に次ぐ大会史上2位の高得点。ノックアウトステージ初戦から「ザ・パンチがヤバい」という声が配信を見たお笑いファンの間で広がっており、優勝候補の呼び声も日増しに高まっている。

芸歴としてはファイナリストの中でもっとも長くなる26年目。08年の『M-1』ファイナルから16年越しのセカンドドリームを叶えるか。

* * *

ファイナルに残ったのはいずれもキャリアとドラマを抱えた8組のベテランたち。トーナメントの組み合わせ抽選会は25日20時からTVerで生配信される予定だ。

(文=新越谷ノリヲ)

© 株式会社サイゾー