違法状態で運用された2023年の徳島市の阿波おどりのプレミアム桟敷問題 元・実行委員長代行の男性を書類送検【徳島】

2023年の徳島市の阿波おどりで設置された、1席20万円のプレミアム桟敷席が建築基準法に違反した状態で運用された問題です。

4月22日、警察は、徳島市文化振興公社理事長で、「阿波おどり未来につなぐ実行委員会」の元・実行委員長代行の男性を書類送検しました。

捜査関係者によりますと、元・実行委員長代行は、2023年の阿波おどりで、法律で定められた検査済証の交付を受けずに「プレミアム桟敷席」を運用した、建築基準法違反の疑いが持たれています。

2023年、新たに導入されたプレミアム桟敷席は、食事を楽しみながら阿波おどりを観覧でき、1席20万円という価格もあって注目を集めました。

しかし。

(刑事告発した久次米尚武さん)

「万が一、けが人が出なかったから良かったものの、出ていたら誰が責任取りますか。(検査済証を受けず)強行したというのは、許せる話ではない」

建築基準法に基づく徳島市の事前検査で、階段や手すりの高さなどが基準を満たしていないことが分かり、市は検査済証を交付しませんでした。

しかし、実行委員会は検査済証がないままプレミアム桟敷席を運用。

違法状態での運用でした。

これを問題視した市民が、実行委員会と席を企画したイベント会社を警察に刑事告発。

今回の書類送検となりました。

2024年3月、任期満了で退任した元・実行委員長代行は、最後の会合で「特にプレミアム桟敷の件に関しては、建築主である実行委員会の代表として、委員の皆様方には多大なるご心配をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げます」と、話していました。

「特にプレミアム桟敷の件に関しては建築主である実行委員会の代表として委員の皆様方には多大なるご心配をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げます」

なお席を企画したイベント会社「アソビュー」もあわせて書類送検されましたが、警察は事件への関与度が低いとして、起訴を求めない意見をつけたということです。

2024年の徳島市の阿波おどりでは、プレミアム桟敷席は設置されないことになっています。

書類送検を受け 告発した男性と徳島市の遠藤彰良市長は

(刑事告発した久次米尚武さん)

「実行委員長を本来つくって運営しないといけない阿波おどりを、そうしないままやっておいて、彼(元・実行委員長代行)の責任のような扱いで終わろうとしているならば間違えている。これが結論になるとすれば本当に不服です」

一方、徳島市の遠藤彰良市長は、「市としても大きな責任があり、重く受け止めており、市民に深くお詫びを申し上げる。今後は、安全安心な阿波おどりを開催できるよう取り組みたい」と、コメントしています。

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