「アヒル取り競争」で刑事告発された糸満ハーレーの行事委、不起訴に 検察「動物虐待の嫌疑が認定できなかった」

 昨年6月の糸満ハーレーで行われたアヒラートゥエー(アヒル取り競争)で、アヒルに暴行を加えたなどとしてハーレーを主催する行事委員会の東恩納博委員長などが動物愛護管理法違反容疑で刑事告発された件で、那覇地検は22日までに東恩納委員長を不起訴処分とした。委員長が同日に発表した。

 NPO法人アニマルライツセンター(東京都)が昨年7月に告発していた。東恩納委員長によると処分は18日付で、検察側から「嫌疑は認定できなかったので不起訴とする」と説明された。担当検事は処分理由として、ハーレーが糸満の旧暦文化を重んじる行事であること、行事委が実施の際に動物虐待にならないよう配布物や会場放送などで注意していること-を上げたという。

 糸満漁協の組合長も兼ねる東恩納委員長は「事前にNPO側から話し合いの打診もなく、いきなり告発された。彼らには糸満の伝統や地元民を理解しようとする姿勢がない」と語った。

 NPOは「参加者による動物たちへの虐待行為を防ぐことができなかったにもかかわらず、主催者が不起訴となったことは残念だ」とコメントした。

(資料写真)那覇地検が入る合同庁舎

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