定年を迎えた両親の介護費用が不安です…。介護費用を浮かせる方法はありますか?

親の介護に不安を抱いている人の割合

10代から60代以上までの男女500人を対象に、株式会社AZWAYが行ったアンケートでは、約9割の方が両親の介護に対して不安に思っていると回答しています。

理由としては、自分の健康状態の不安や経済状況の悪化などをあげているようです。

この章では、介護が必要となった場合に考えるべき項目について解説します。

介護する人や場所

両親の介護について話し合った割合も年齢が上がるにつれて増加しており、同アンケートによると、もし両親の介護が必要となった場合、自分が介護を行うと回答した方が最も多い結果になっています。

親の介護は子どもで対応しようとする考えの方が多いようですが、施設に預ける、配偶者に任せるという意見もあります。

いきなり施設に任せるようなスタンスではなく、経済的な理由や介護状況を考慮して、自宅介護からデイサービスそして施設入所へと、段階的に切り替える方法を考えているようです。

介護費用の問題

もし介護が必要となった場合は、あらゆる面でお金が必要となる可能性があります。

公益財団法人生命保険文化センターが2021年に行った生命保険に関する全国実態調査では、平均で約74万円の介護費用がかかっているようです。

介護状況にもよりますが、介護用のベッドや車いすなどの介護用品が必要となり、介護のために住宅をリフォームする費用がかかるケースもあるでしょう。

これらの初期費用にくわえて、訪問介護やデイサービスを利用する際は、介護サービス利用料も必要です。

特別養護老人ホームなどの介護施設へ入所する際は、毎月の居住費や食費、そのほかの日用品などの費用もかかります。

介護費用が不安なら公的介護保険制度の活用も検討しよう

一定の条件はありますが、要介護認定を受けた方の所得に応じて、1割〜3割の自己負担額で公的介護保険の介護サービスを受けられます。

要介護認定を受けるためには、表1のような目安が設けられています。

表1

※公益財団法人 生命保険文化センター「公的介護保険で受けられるサービスの内容は?」を基に筆者作成

例えば、65歳以上で本人の所得の合計が160万円未満の方が要介護2の認定を受けた場合、1ヶ月あたりの支給限度額である19万7050円のうち、1割にあたる1万9705円で公的介護保険の介護サービスが利用可能です。

ただし、1ヶ月あたりの支給限度額を超える金額に関しては、自己負担となる点には注意しましょう。

両親の老後の面倒をみることを検討している子どもの割合は6割程度

もし、両親の介護が必要となった場合に、子どもたちで面倒をみると考えている方の割合は、6割近くいるようです。

その反面、自分の健康状態や介護疲れ、経済状況の悪化などを不安視する意見も多くあがっています。

公的介護保険の介護サービスのような国の公的制度をうまく活用すれば、経済的な負担の軽減にもつなげられるでしょう。

健康なうちから将来必要となる介護に備え、家族で話し合い、対策を考えておくことが重要です。

出典

株式会社AZWAY 幸せおうち計画 powered by AZWAY 【両親の介護は誰がする?】男女500人アンケート調査
公益財団法人 生命保険文化センター 2021年(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査
公益財団法人 生命保険文化センター 公的介護保険で受けられるサービスの内容は?
公益財団法人 生命保険文化センター 実際にかかる介護費用はどれくらい?

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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