新卒2年目です。昇給して喜んでたら「手取り」が減りました。年収400万円で「18万円」も住民税が引かれているのですが、高すぎませんか!?

住民税の課税サイクル

まずは、新卒1年目にはなかった住民税の給与からの天引きが、2年目からなぜ始まるのかについて解説します。住民税は毎年1月1日から12月31日までの所得に対してかかり、その翌年6月の給与から天引きされます。
つまり、新卒1年目は前年分の所得がないため、入社後の6月から天引きする住民税がありませんでした。ただ、新卒2年目になると1年目に所得が発生しているので、それに対する住民税を払う必要があります。その分の給与からの天引きが、2年目の6月の給与分から始まるのです。

年収400万円にかかる所得税と住民税

次に年収400万円に対して、所得税と住民税がどのくらいかかるのかを見ていきましょう。所得控除は、社会保険料60万円と基礎控除48万円(住民税は43万円)のみと仮定します。

__【所得税】
(年収400万円-給与所得控除124万円-社会保険料控除60万円-基礎控除48万円)×5%=8万4000円
【住民税】
(年収400万円-給与所得控除124万円-社会保険料控除60万円-基礎控除43万円)×10%+均等割5000円=17万8000円__

所得税が約8万円なのに対して住民税は約18万円かかっていることから、住民税の高さが分かります。その理由は「税率」です。所得税は5%であるのに対して住民税は10%であるため、約2倍の税額となるのです。「給与から天引きされる住民税は、所得税と同じ7000円くらいだろう」と考えていると、実際には月に約1万5000円天引きされるので予定が狂うかもしれません。

年収800万円あたりから所得税と住民税は逆転する

所得税率は所得が高いほど高い税率が乗じられる累進課税制度となっています。年収400万円の場合には最低税率となる5%が乗じられます。これに対して住民税率は所得に関わらず一律10%です。 ただ、年収800万円前後になると、所得税率が住民税率を上回るようになるため、所得税より住民税のほうが高くなります。

まとめ

新卒2年目からは、給与から住民税が天引きされるようになります。年収400万円であれば、住民税率が所得税率の2倍になるので、税額も2倍程度になる点に注意しましょう。月々の給与から天引きされる住民税は1万5000円程になるので、昇給した金額を上回るケースも多いと考えられます。新卒1年目より2年目のほうが手取りが少なくなることがあると、あらかじめ認識しておくようにましょう。

出典

東京都主税局 個人住民税と特別徴収について
国税庁 家族と税
東京都主税局 個人住民税
国税庁 No.1410 給与所得控除

執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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