スイスで見つかったラムセス2世像破片、エジプトに到着

古代エジプトのファラオ像の頭部破片は30年ぶりにエジプトへと戻った (KEYSTONE)

エジプト考古省は21日、約30年前に盗まれ国外に流出したラムセス2世像の頭部破片が同国に到着したと発表した。 古代エジプトのファラオ(王)、ラムセス2世の石像はエジプトの神々の群像の一部で、3400年以上前につくられたものとみられる。エジプトの古遺物送還部門を率いるシャーバン・アブデル・ガワド氏によると、破片は1980年代後半~1990年代前半に、エジプト南部の古代都市アビドスにあるラムセス2世の神殿から盗まれた。 破片は2013年に開催されたロンドンの展示会に出品された際、エジプト当局が発見。考古省によると、複数の国を経由したのち、スイスに流れ着いたという。 スイス連邦文化省は2023年7月、破片をベルンのエジプト大使館に引き渡した。 スイスとエジプトは1970年に締結された「文化財不法輸出入等禁止条約」の締約国。2011年には文化財の輸入・返還に関する二国間協定も発効した。 ラムセス2世の石像は現在、カイロのエジプト博物館が所蔵し、展示はされていない。石像は修復を予定している。 英語からの翻訳:大野瑠衣子

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