「試合全体を通して活躍が目立った」南野拓実、2位の座を懸けた上位決戦での“トドメ弾”が現地メディアから高評価! 残り試合でのキーマンとしての期待も

現地時間4月21日に行なわれたリーグ・アン第30節で、モナコはブレストとの上位直接対決を2-0で制して2位の座を奪取するとともに、3連勝&7戦無敗(5勝2分け)を達成している。

敵地での一戦、40分にデニス・ザカリアによるテクニカルなシュートで先制したモナコは、後半開始早々の48分にリードを広げる。ワンツーで左サイドを抜け出したクレピン・ディアッタのグラウンダーのクロスをニアで合わせたのは南野拓実。一度はオフサイドの判定が下されたものの、VAR検証によってこれが覆され、彼にとっては今季8得点目となった。

試合後に自身のSNSでゴール後の歓喜の画像を公開して喜びを表わした南野について、クラブの公式サイトは「ディアッタと南野の完璧な連係」とそのプレーに賛辞を贈り、ゴールだけでなく「素晴らしいクロス」を見せたことなども紹介。リーグ・アン公式サイトは、「混沌とした結末(後半アディショナルタイムにモナコの2選手が退場に)の一戦で勝利に相応しかった」アウェーチームにおいて、2列目の中央に位置した南野が84分にウィサム・ベン・イェデルと交代するまでに、多くの攻撃プレーに絡んだことを伝えている。
現地メディアの報道では、スポーツ紙『L’EQUIPE』が「ディアッタのスピード、マグネス・アクリウシュのパス、そして南野のシュートで得点」と報じた他、ザカリアの先制弾の数秒前、フォラリン・バログンのクロスをジュリアン・ル・カルディナルがクリアしようとした際に南野が彼を背後から押し倒したとして、ブレストのエリック・ロワ監督がモナコの得点に異議を唱えたことなどを報じた。

日刊紙『Le Figaro』は、「ハーフタイム終了後、モナコはすぐに追加点を奪った。ディアッタは左サイドで素晴らしいワンツーを決め、ペナルティーエリア内で南野にパス。日本人選手は相手のゴールに押し込むだけの状況だったが、この2点目がブレストの選手たちの士気に影響を与えた」と得点場面に言及し、また「モナコは前半15分間で良いプレーを見せ、特に南野とアクリウシュのデュオは攻撃の最前線で非常に効果的だった」と綴っている。

『Le Monde』紙も、「南野が決めたモナコの2点目以降、ブレストは忍耐力と集中力を失った」として、この日本人選手のゴールが試合の流れに大きな影響を与えたことを強調。サッカー専門サイト『Made in FOOT』は10点満点の採点でチーム2番目タイとなる「6.5」の評価を背番号18に下した。『SO FOOT』は、「モナコが後半に入って強力な攻撃を仕掛け、相手に追い討ちをかける中で、南野がディアッタのクロスをニアポストで完璧に合わせてゴール」、『football.FR』はホームチームの視点から「ブレストは狂ったように上昇し始めた昨年11月以来、これほど暗い経験を連続して味わうことはなかった。彼らのピッチ上で2度も苦しみ、前半はザカリアの、後半は南野の犠牲となった」と、それぞれ報じている。

そして、『maxifoot.fr』は、「南野がブレストを撃破」との表現でトドメを刺したことを伝え、個別評価ではチーム2番目タイの「6.5」という採点を付与し、「序盤は控えめだったが、先制点に繋がるプレーでル・カルディナルとの一騎打ちに勝利して決定的な役割を果たし、ハーフタイム明けには再び彼をかわしてディアッタのクロスをゴールに押し込んだ。とてつもなく優れたプレーというわけではなかったが、2度の決定的なプレーを披露」と、そのプレーを振り返った。

モナコの地元メディアでは、日刊紙『monaco-matin』は、「後半開始直後、南野はやや利他的すぎたが、数秒後にはディアッタのクロスから素晴らしいゴールを決めた」と綴り、採点はチーム最高タイの「7」で、寸評も「ライン間で良いプレーを見せた」「ディアッタのクロスに上手く合わせ、試合を終わらせた」とポジティブな内容となっている。
一方、総合サイト『Monaco Tribune』は、「負傷欠場したアレクサンドル・ゴロビンの代わりに素晴らしいプレーを披露した南野によって、モナコはリードを広げた」と伝えた他、彼について「自身の役割を果たすことに成功した。彼はほとんど全ての良いプレーに関与。日本人選手はチームを見事にリードし、満足のいくプレーを遂行した」と絶賛し、残りのシーズンに向けて大きな期待を寄せた。

「シーズン終了までゴロビンが不在であることを考えると、南野は自身に期待が懸けられていることを知っている。そして、このモナコの攻撃的な中盤選手は、ブレスト戦でその役割を完璧に果たした。南野が最高の状態であることで、モナコは自信を持って前進している」

最後に、モナコのクラブ専門サイト『LA DIAGONALE』も南野に最高評価を下し、採点は最高タイの「7」。寸評では「最初の30秒でチャンスを作り出し、試合全体を通して活躍が目立った。先制点は、レ・カルディナルとの一騎打ちに挑んでいくことで生まれたが、その際に小さなファウルを犯したかもしれない。一方、彼自身のゴールはモナコの勝利を決定づけるものだった。ボールロストは25回を記録したものの、全体的な貢献ぶりがそれを補った」と、日本代表選手の84分間を総括している。

構成●THE DIGEST編集部

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