【危険】「ナガミヒナゲシ」 “触れるとかぶれる”有毒外来植物が繁殖 調布市などで注意喚起

公園や、道端などに咲くポピーに似たオレンジ色の花。みなさんも、見かけたこと ありませんか?

オレンジの花が庭に咲いていた家の住人:なんか気がついたらもうすごく出てる。今年また異様によく出てる。結構咲いてます。

ポピーのようにも見えますが、これは別の花、「ナガミヒナゲシ」という外来植物なんです。

東京農工大学大学院農学研究院 吉川正人准教授:(ケシの仲間は一般的に)アルカロイドという有毒の化学成分を含んでるんですけど、皮膚の弱い人なんかは、かぶれる可能性はあります。
有毒成分を含んでおり、触れると、かぶれてしまう可能性があります。

有毒成分を含んでいるという「ナガミヒナゲシ」。

繁殖力が強く、根から他の植物の生育を妨げる成分を含んだ物質を出すこの花は、生態系に影響を与えることから、2024年3月、東京・調布市が注意喚起を行うなど多くの自治体で駆除が推奨されています。

現状では、どのくらい繁殖しているのでしょうか?めざまし8取材班は都内を探してみました。

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どれくらい繁殖しているのか?都内を取材

取材スタッフ(東京・大田区):
オレンジ色の花がずらーっと50mほどにわたって咲いています。

都内の街の至る所で「ナガミヒナゲシ」を発見。

中には、子供が歩くすぐそばに咲くものも。花が、ちょうど手で触れる高さに咲いています。

調布市民:石とか転がってて危ないなって自分が認識あるものは遠ざけることはできるんですけど、(花に)そういう認識がないので、ちょっと怖いなとは思いますね。

自宅の庭にかなりの数の、ナガミヒナゲシが、咲いている家を発見、お話を伺いました。

取材スタッフ:実は、この花、毒性があるんですよ。

庭にナガミヒナゲシが咲いていた調布市の住民:えー!毒なんだって!
危ない!知らなかった。

庭にナガミヒナゲシが咲いていた調布市の住民:怖いですよね。うち他にも孫がいてここの辺ちょろちょろするんで 触っちゃったらね?
触ると思います。

外来植物であるナガミヒナゲシは、1961年に東京・世田谷区で発見され、その後、2000年代に入り、日本中に拡大していったといいます。

街中や自宅の庭で、「ナガミヒナゲシ」を見つけた場合どうしたらいいのでしょうか?専門家に聞きました。

東京農工大学大学院農学研究院 吉川正人准教授:
駆除するとしたらこれから花が終わって実が熟す時期なので、これからGWで庭の手入れしようと考えてる方は、これを見つけたら、実が熟す前に抜き取っていただくと効果的かなと思います。

今、毒があるんじゃないかっているのが話題になってると思うんですけど、我々の立場からするともっと問題なのが雑草化ですね。これが道路沿いなんかに生えてるうちは良かったんですけど、今畑中に侵入して畑雑草化してます。

原産地のヨーロッパなどの麦畑では非常にやっかいな雑草で、これが日本でも同じ状況になっているんですね。
種が秋に芽生えて今頃花が咲くので、ちょうど小麦などの冬作物の作付けと同じサイクルなので、麦畑とか、冬野菜の畑の雑草になりやすいんですよ。

うちの大学でも元々なかったんですけど、20何年か前に、たまたま誰かがわずか1本を畑の縁に植えたら、それが3、4年後には畑全体に広がって4㏊の畑全体に広がって駆除のしようがないくらいになっています。

非常に繁殖力が強いですね。毒性が弱いとはいえ、農作物の中に混じってしまったり、家畜に与える牧草に混じってしまったりすると農産物とか家畜の飼料の質が低下してしまうことにもつながるので、農耕地の周りに種をまいてしまうのは絶対にやめてほしいなと思います。

(『めざまし8』 2024年4月23日放送より)

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