トイレの命名権 対価は「メンテ」 JR福山駅前

オガワエコノスが命名権を取得した福山駅前広場の便所

 広島県福山市は、JR福山駅前広場のトイレの命名権(ネーミングライツ)を廃棄物処理業のオガワエコノス(同県府中市高木町)が取得したと発表した。命名権料の代わりに毎月1回、トイレのメンテナンスを担う。福山市によると、役務の提供による自治体施設の命名権取得は県内で初めて。

 名称は「Everyone smile toilet」で、期間は5月から2027年3月までの約3年間。尿石防止剤を使った清掃や便座の除菌など、通常の清掃では行き届きにくい部分のメンテナンスを担う。

 役務は年額約30万円の対価に相当するという。同社は「大勢が訪れる場所のトイレ。安心して使ってもらえるようにきれいにしたい」とする。

 市は昨年度、市が施設や条件を示す従来の命名権取得の募集に加え、民間事業者が施設の選定や対価の種類などを提案できる制度を創設。同社が手を挙げていた。

 市は従来の方法で、ごみ処理施設「ふくやま環境美化センター」(箕沖町)についても募り、JFEエンジニアリング(東京)が取得した。本格稼働する今年8月から29年3月までの4年8カ月で総額385万円。名称は「福山ローズエネルギーセンター」となる。

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