「ローレウス世界スポーツ賞」が４月22日に発表され、男子テニスの世界ランキング１位、ノバク・ジョコビッチ（セルビア）が年間最優秀男子選手賞に輝いた。また、女子車いすテニスのディーデ・デフロート（世界１位／オランダ）が年間最優秀障害選手賞、「ラファ・ナダル財団」がスポーツ貢献賞を受賞した。
“スポーツ界のアカデミー賞”と称されるローレウス世界スポーツ賞は2000年に創設され、今回で25回目。世界中のジャーナリストの投票によって選出された候補者から、69名のローレウス・アカデミー会員の投票によって受賞者が決まる。
テニス界からは、2002年のジェニファー・カプリアティに始まり、ロジャー・フェデラーやラファエル・ナダル、セレナ・ウィリアムズら、多くの同賞受賞者が誕生。日本の大坂なおみも2019年に最優秀成長選手賞、2021年に最優秀女子選手賞を受賞している。どちらも、（評価対象となるシーズンに）全米オープンを制した年だった。
ジョコビッチの最優秀男子選手賞受賞は今回が５度目で、ロジャー・フェデラーに並んで最多。昨シーズンは、全豪オープン、全仏オープン、全米オープンと３つのグランドスラム（四大大会）を制し、唯一優勝を逃したウインブルドンでも決勝に進出。カルロス・アルカラス（世界３位／スペイン）とフルセットの熱戦を演じ、結果的に年間グランドスラム達成まであと１歩に迫っていた。さらにATPツアーファイナルズで７度目の優勝を加え、史上最多８度目の年間１位を獲得した。
ジョコビッチは受賞の喜びを次のように語っている。
「５度目の受賞ができて大変光栄です。24歳で初めて受賞した2012年を思い出します。あれから12年、私とファンに多くの興奮と成功をもたらしたこの１年を振り返りながら、ここにいることをとても誇りに思います」
「昨年１月にオーストラリアで10度目のタイトルを獲得できたことはとてもスリリングでした。あの大会は私にとってとても思い入れのある大会であり、信じられないような12カ月を過ごすことができました。このような成功を収めることができたのは、支えてくれた素晴らしいチーム、常に最高の自分であろうと背中を押してくれた刺激的なライバルたちのおかげです」
「ローレウス賞は、アカデミーを構成する69人の世界トップクラスのアスリートから認められたという意味でとても特別なもの。英雄たちの投票だからこそ、スポーツ界で切望される賞なのです」
一方、初めて年間最優秀障害選手賞に輝いたのがデフロートだ。車いす女子テニスの絶対女王は、現在なんと142連勝中で、３年連続年間グランドスラムを成し遂げている。
また、スポーツ貢献賞はラファ・ナダル財団が受賞した。同財団はスペインとインドで1000人以上の恵まれない若者を支援。スポーツが持つ変革の力を信じ、彼らの可能性を引き出す力を与えていると評価された。ナダル自身も2011年、21年の年間最優秀男子選手賞に加えて、年間最優秀成長選手賞（2006年）や年間最優秀復帰選手賞（2014年）も受賞している。
なお、マドリードで行なわれた授賞式には、昨年の年間最優秀成長選手賞に輝いたアルカラス（スペイン）もプレゼンターとして出席し、サッカーのイングランド代表でレアル・マドリー所属のジュード・ベリンガムに同賞を授与している。
今回のローレウス賞各賞受賞者は次の通りだ。
・年間最優秀男子選手賞：ノバク・ジョコビッチ
・年間最優秀女子選手賞：アイタナ・ボンマティ（サッカー）
・年間最優秀チーム賞：サッカースペイン女子代表
・年間最優秀成長選手賞：ジュード・ベリンガム（サッカー）
・年間最優秀復帰選手賞：シモーネ・バイルズ（体操）
・年間最優秀障害者選手賞：ディーデ・デフロート
・年間最優秀アクションスポーツ選手賞：アリサ・トゥリュー（スケートボード）
・スポーツ貢献賞：ラファ・ナダル財団
また受賞は逃したが、テニス界からは年間最優秀女子選手賞にイガ・シフィオンテク（世界１位／ポーランド）、年間最優秀成長選手賞にココ・ガウフ（世界３位／アメリカ）、年間最優秀復帰選手賞にマルケタ・ボンドルソワ（世界７位／チェコ）がそれぞれ候補としてノミネートされていた。
構成●スマッシュ編集部
