【解説】仲が良かった「イラン」と「イスラエル」 なぜいま対立しているのか

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イスラエルが4月19日の未明に行ったイランへの反撃で、イラン中部の核施設を守る防空システムに被害が出たとアメリカの新聞、ニューヨークタイムズが伝えました。

イスラエルには、イランの防空システムに探知されない精密な攻撃が可能だと示す狙いがあったとしています。2023年10月から続く、パレスチナ自治区ガザでの戦闘が波及して激化したイスラエルとイランの対立は、報復の連鎖に発展しています。

対立を続ける「イラン」と「イスラエル」について改めて整理したいと思います。

イランとイスラエル、もともと1950年代~1960年代は国交があり、良好な関係を築いたんです。

―――何がきっかけで対立をしたのですか?

1979年にイランで起きた『イスラム革命』です。イスラム革命が起きる前までは、イランもイスラエルも親米の立場でした。ですが、イランでは、1979年にアメリカ寄りの王政が倒されて、イスラム教を厳格に解釈した体制が樹立しました。これによりイランは「反アメリカ」の立場となります。イスラエルは、変わらずバックに、アメリカがついているのでまず1つ目の対立軸ができあがってしまった。

そして最も大きな対立の要因が「イスラム教」です。このイスラム教の聖地は、イスラエルのエルサレムです。つまり、イランからすればイスラエルは、自分たちの聖地を奪った「イスラム」の敵だということで長年対立してきたということなんです。

―――かなり複雑に入り組んでいますね…
イスラエルの「エルサレム」が鍵なんでしょうか?

エルサレムの街というのも複雑です。エルサレムの旧市街の地図です。「イスラム教」だけではなく「ユダヤ教」「キリスト教」の聖地でもあります。3つの大きな宗教の「聖地」が、エルサレムという小さな町に集まっているんです。

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