神々の言葉“解読” 鹿島神宮・元禰宜の萩原さん出版

「弥生語」使い謎に迫る

画像「古代の人々は目に見えないエネルギーがあることを理解していた」と話す萩原継男さん=鹿嶋市宮中

鹿嶋市在住で元鹿島神宮禰宜(ねぎ)の萩原継男さん(74)が「古事記、祓い言葉の謎を解く-伊勢・鹿島・香取・春日の起源-」(叢文社)を出版した。萩原さんは、前代未聞の古代語「弥生語」から成る「弓前文書(ゆまもんじょ)」との出合いや、一音一義の原則のある弥生語を紹介。弥生語で「古事記」に登場する神々の“暗号”を解読し、日本古代史の謎に迫っている。

萩原さんは1942年、鹿嶋市生まれ。鹿島神宮の社家、家枝神(けしがみ)職の31代目。家枝神とは、平安時代に京都より勅命で鹿島神宮宮司として赴任した大中臣片岡大宮司家から枝分かれした家の意味。しかし、萩原さんは社家に生まれながらも当初は「神道に心が向かなかった」。俳句に親しむなどして自然を愛するようになり、徐々に心境は変化。同神宮で神職を務めるようになったのは40歳の時だった。

そして、池田秀穂著「弥生の言葉と思想が伝承された家」との出合いが人生を変えた。池田氏の神道への「非常に自然科学的なアプローチ」(萩原さん)に引かれ、直接教えを請い、約5年間やりとりを続けた。

萩原さんの著書は、池田氏の教えを基に、弥生時代初期の倭人(わじん)が使った弥生語による解読を駆使して書かれている。日本の神々を伝承する古事記、日本書紀の中に出てくる神々の言葉や、今も使われる祝詞の中の言葉、万葉集に出てくる素性不明な言葉の多くが弥生語に属すると主張する。

一音一義についても具体例を多く挙げ、「常陸」は弥生語で「ピ」=「生命根元精気の」、「タ」=「限りない」、「チ」=「エネルギーの流れ」と解説し、従来の解説にはなかった「鹿島立ち」のより重みある意味も示す。現代に生きる弥生語の例としても「さわやかな」を「さ」=「何もない」、「わ」=「広がりが」、「や」=「益々」、「か」=「大きく」、「な」=「成る」と解説。「古代の人々は目に見えないエネルギーがあることを理解していた」と強調する。

こうした弥生語による解読を駆使しながら萩原さんは、古事記冒頭の神々が、香取神宮の神主であった弓前値名(ゆまあてな)から九条今野家に伝わった弓前文書第一章の写しであることを論じている。

383ページ。問い合わせは叢文社(電)03(3513)5285。     (三次豪)

画像「古事記、祓い言葉の謎を解く」

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