横浜市立学校で生徒2人が連続自殺…遺族は「背景にいじめ」訴え、対応後手に

横浜市教育委員会(資料写真)

 横浜市教育委員会がいじめ防止対策推進法に基づく重大事態として取り扱う方向で検討している市立学校での自殺事案が起きた後、同じ学校で同じ年度に同学年の生徒が自死していたことが、関係者への取材で分かった。この遺族も背景にいじめがあると訴えている。関係者は1件目で被害への対応が後手に回って自死を招いた結果、2件目に至るまで必要な対策も取られず、再発を防げなかった可能性があると指摘。「2人が相次いで亡くなる深刻な事態にもかかわらず、真相は解明されておらず、再発防止策は取られていない」と学校や市教委を批判している。

 2020年3月に市立中2年の女子生徒がいじめを苦に自死していたことが発覚。その後に別の学校でも2人がいじめを背景に自死していたことが判明した形だ。2人の遺族とも、発生直後からいじめとの関連を訴えており、学校や市教委の対応が改めて厳しく問われる事態になった。

 同法は、自死などの要因にいじめが疑われる場合や、同種の事態が起きるのを防ぐために、速やかに重大事態調査を行うよう求めている。

 市教委によると、市立学校で児童生徒が自死した事案は14年度以降で41件起きたが、重大事態調査が行われたのは女子生徒のケースのみ。同じ学校で起きた今回の2件は依然として行われていない。関係者は「市教委は調査開始が遅れた女子生徒のケースと同様、2件とも法に基づく対応を怠っており、同法違反の可能性が高い」とみる。   

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