〝悪童〟ネリの減量食は卵白とサーモン! コンビニに立ち寄りフルーツ購入

練習を公開したネリ

〝悪童〟の仕上がりは…。ボクシングのスーパーバンタム級タイトルマッチ(5月6日、東京ドーム)で4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)に挑戦するWBC同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)が23日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。大幅体重超過の〝前科〟があるネリは、日本では卵の白身とサーモンを減量食にしていると明言。また、ネリと2度戦った元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏を指導した帝拳ジムの大和心トレーナー(48)は角度と軌道が変則的なネリのパンチを警戒点に挙げた。

東京ドーム決戦でファンが最も恐れているのは〝悪童〟のトラブルだろう。2017年8月の山中との1戦目ではドーピング検査で陽性反応(処分はなし)、18年3月の2戦目では2キロ以上の大幅体重超過を犯し、山中は無念の2連敗を喫した。今回、井上の所属ジムの大橋秀行会長は、わずかな体重超過でも試合をさせないことを明言しており、計量が終わるまでは安心できない。

今回の上限体重は55・3キロ。ネリは21日に来日した際は58・9キロ、この日は57・6キロと明かした。日本では何を食べているのかを直撃すると「卵の白身とサーモンだ」と胸を張った。ともに高タンパク低カロリーで減量食にはうってつけ。現在の日本の暖かい気候も歓迎している。

この日は大橋会長、井上の父の真吾トレーナーらが視察する中、シャドーボクシングとミット打ちを1回ずつ公開。速射砲のように繰り出す多彩なパンチは力強さを感じさせた。これを見た真吾トレーナーは「ワイルドな打ち方は想定内」と冷静。「体格は思ったよりコンパクトなのかな。パワフルだが切れは感じない」と印象を語った。

また、大和トレーナーは「体重は大丈夫かな。真ん丸に見える」と笑顔で指摘。井上がトータルで優位であると見ながらも、「印象は前とあまり変わらない。回転力で勝負するボクサーで、一発一発のパワーはある。角度がすごく分かりにくくて、ストレートでもフックでもなく、弧を描く感じで本当にやりにくい。間違うと(ガードを)抜けてくる」と警戒すべき点を挙げた。

ネリは「調子は100%。過去の10倍か20倍ぐらい」と絶好調をアピールし、「人生の中で見たことのない試合を目撃する。血を見るだろう。2人にとって厳しい試合になると思うが、リングですべてを出して、リングで死ぬ覚悟だ」と打倒井上へ悲壮な決意を示した。練習後はコンビニに立ち寄り、これもヘルシーなカットフルーツを購入。不安な目で見つめる報道陣を安心させた。

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