【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#61
敬語の基本編(3)
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前回は尊敬語と謙譲語について詳しくみていきました。今回は動詞を敬語に変換する際の、尊敬語と謙譲語の表現の違い、そして間違いやすい敬語表現を見ていきましょう。
■動詞の尊敬語と謙譲語
動作や状態を表す言葉、動詞を敬語に変換する場合、言葉そのものが変わるケースがあるということは前回お伝えしました。
ここでは、普段よく使う動詞を敬語に変える際の、尊敬語と謙譲語の表現の違いを見ていきます。わかりやすく表にまとめてみました。
■間違いやすい敬語表現
よくある敬語の誤りに、尊敬語と謙譲語を間違えて使ってしまうというケースがあります。
尊敬語は相手側、謙譲語は自分側の行為・行動に対して使います。本来は高めるべき相手側の行動に対して謙譲語を使ってしまわないよう気を付けましょう。
次に、どこかで聞いたことがあるかもしれない、間違った敬語表現を挙げてみました。
例1)
×「どうぞ温かいうちにいただいてください」(「いただく」は「食べる」の謙譲語)
〇「どうぞ温かいうちに召し上がってください」
例2)
×「お手元の資料を拝見してください」(「拝見する」は「見る」の謙譲語)
〇「お手元の資料をご覧ください」
例3)
×「お飲み物は、何にいたしますか」(「いたす」は「する」の謙譲語)
〇「お飲み物は、何になさいますか」
例4)
×「資料は受付でいただいてください」(「いただく」は「もらう」の謙譲語)
〇「資料は受付でお受け取りください」
例5)
×「お客さまが参られました」(「参る」は「来る」の謙譲語)
〇「お客さまがいらっしゃいました」
(金森たかこ/マナー講師)