【ソフトバンク】有原航平の際立つ〝エースキラー〟ぶり 佐々木朗希にも完勝「ただの1勝ではない」

敵地でロッテ・佐々木朗希に投げ勝ったソフトバンク・有原航平

真骨頂とも言える107球だった。ソフトバンクは23日のロッテ戦(ZOZOマリン)に4―2で競り勝った。先発・有原航平投手(31)が2失点完投で今季2勝目。最速165キロ右腕・佐々木朗希投手(22)との投げ合いを見事に制した。

チームが敵地で佐々木に勝つのは2年ぶり。試合後の有原は「もちろんいい投手というのもありますし、僕自身、火曜日のいいところで投げさせてもらっている中で、2連敗でチームに流れを持ってこられていなかった。そういう意味では、今日勝てたというのはいい1勝になった」と素直に喜んだ。

投げ合う相手が強大なほどに、アドレナリンが出るタイプなのかもしれない。「僕は実際に見ていなかったけど、去年の成績もそういうところはあったと思う」とうなずいたのは、倉野チーフ投手コーチ。日本球界復帰1年目となった昨季、有原は球界のエース級を相手にすると特に強かった。

ホークスでの一軍初登板となったDeNAとの交流戦では白星こそつかなかったが、今永(現カブス)との投げ合いで7回途中1失点(自責0)。その後は先発の柱に君臨し、オリックス戦では山本由伸(現ドジャース)との直接対決で3勝1敗と投げ勝った。その中にはチームの12連敗を完封で止めるインパクトの強い投球も含まれていた。

そしてこの日は将来的なメジャー挑戦を見据える佐々木に投げ勝ち、エースキラーぶりを発揮。先制点を与えず、一度も追いつかれない〝勝てる投球〟を実践した右腕に、倉野コーチも「投手陣全体、チームにいい影響を与える投球だった。本当にすごい集中力だった。エース格との投げ合いで投げ勝つことの意味は1勝以上の価値がある。ただの1勝ではない」と賛辞を惜しまなかった。

難攻不落の敵でも、有原が投げれば勝てる――。そんなイメージを植えつけている。

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