新エネ車の保険料改定、「保険料高額化&保険引受損」の難題を解決できるか―中国メディア

22日、第一財経は、中国の新エネルギー車の保険料設定を見直す措置が検討されていることを紹介し、その背景と影響について解説する記事を掲載した。

2024年4月22日、中国メディアの第一財経は、中国の新エネルギー車の保険料設定を見直す措置が検討されていることを紹介し、その背景と影響について解説する記事を掲載した。

記事によると、中国金融監督管理総局がこのほど、「新エネルギー自動車保険の高品質発展促進に関する通知(パブリックコメント案)」を発表し、24年6月1日までに新エネ車商業自動車保険について、保険会社が自由に価格を調整できる範囲を示す「自主価格係数」を0.65~1.35から0.5~1.5に拡大し、化石燃料車に合わせることを盛り込んだ。

この措置について国信証券は、保険会社が自身の保険リスク管理能力、事業構造、全体的なコスト率などに応じて保険料をさらに調整できるようになり、保険の引受収益性改善が期待できるとの見方を示した。

ここ数年で新エネ車の技術が急発展し、急速に普及する中、保険会社は新エネ車のリスク評価、リスク制御能力、ビッグデータモデル予測など種々の課題を抱えており、「車の所有者は保険料が高いと叫び、保険会社は赤字だと叫ぶ」という状況に陥っている。中国銀行保険情報技術管理有限公司が数年前に発表した報告書では新エネ車の平均保険料は化石燃料車より約21%高く、現在も高いことに変わりはないという。

中国太平洋財産保険の顧越(グー・ユエ)董事長は先日開かれた業績報告会で新エネ車の保険料コストが高い理由について、新エネ車のスマート化が進んでいること、新エネ車の車体構造が化石燃料車と異なること、新エネ車の運転行動が化石燃料車と異なること、そして多くの自家用新エネ車が営業用車両として用いられていることを挙げた。

今回打ち出された係数の拡大幅では新エネ車のリスクを十分に反映できないという声も市場からでているようだが、全体的に見れば「通知」が施行によって保険会社が抱える比較的大きな問題が解決に向かって動き出す可能性はあるという。

保険会社の裁量範囲が拡大されることによる保険料への影響について専門家は、運転記録の悪いオーナーや、配車サービスなど営業利用している場合は高リスクと判定され保険料が上昇する可能性があるのに対し、低リスクなオーナーについては保険料の引き下げが期待できるとの見方を示している。(翻訳・編集/川尻)

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