安心・共感へ悩み話す場 HSP、つくばで自助会 音や光に敏感 茨城

悩みなどを打ち明け合うHSPの自助会=つくば市研究学園

音や光などに敏感で感受性が強く繊細な人「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の日常生活の悩みなどを共有するため、茨城県つくば市内で当事者らによる「つくばHSP自助会」が開かれている。月に1回集まり、人間関係の悩みや感じたことを打ち明け合い、個性を認め合う。主催する松本幸子さん(53)=つくば市=は「安心や共感を得られる場として続けたい」と話す。

同会によると、HSPは周囲の音やにおい、相手の表情などの細かなことに気付き、過剰に刺激を受けやすい繊細な気質。5人に1人はいるとされ、繊細ゆえに人間関係や日々の生活で悩みを抱えがちだという。

同会は、同じ悩みを持つ人たちが話し合える場をつくろうと、松本さんが2022年に立ち上げた。松本さん自身も、10代の頃は人と話すのが苦手で、自助会に通った経験がある。環境の影響を受けやすく、満員電車や騒がしい空気感がつらく、無気力になることもあったという。約15年前に同市に引っ越し、緑豊かな静かな環境で過ごす中で「余裕が出てきた」と話す。県内にはHSPの交流会が少ないと気付き、「つくばに恩返ししたい」という思いもあり、設置を決めた。

自助会は自己紹介の後、HSPに関する本を読んで学びを深める。その後、2人一組となって「話す人」「聴く人」の役割を決め、日頃感じたことなどを5分交代で自由に話す。ルールは評価やジャッジをせず、相手を尊重して聞くこと。松本さんは「治療の場ではなく、お互いの個性を認め合い共感する場にしている」と話す。

同会はつくば市役所のコミュニティセンターで毎月第2土曜に開かれる。これまでに計21回開かれ、市内外から延べ86人が参加した。参加者からは「自分だけが苦しいんじゃないんだと気付いた」「話すことで心が安定した」「教育や学校などにもHSPの自助の場があれば良いのに」などの感想が寄せられているという。松本さんは「生きづらいなと思っている人など、気軽に来てほしい」と話した。

同会のホームページから参加申し込みが可能。問い合わせはtsukubahsp@gmail.com

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