永露元稀のアタックや水町泰杜のトスに歓声。WD名古屋がチャリティー紅白戦を実施

バレーボールのVリーグV1男子のウルフドッグス名古屋が4月20日、ホームアリーナであるエントリオ(豊田合成記念体育館/愛知)で「台湾東部沖地震支援チャリティー紅白戦」を実施。1000人を超える観客が訪れた。

この紅白戦は今年4月に大地震に見舞われた台湾への支援を目的としたもの。WD名古屋も過去には劉鴻杰(リュウ・ホンジェ/2023-24シーズンはV2男子のクボタスピアーズでプレー)が在籍したほか、現地でのオールスターゲームに参戦するなど深い交流を持っていることから実現した。

エントリオには1000人を超える観客が集まった(写真:チーム提供)

セッターがアタック、アタッカーがセッター!? ポジションをシャッフル

紅白戦には、男子日本代表合宿への参加選手やバルトシュ・クレク(ポーランド)と王東宸(ワン・ドンチェン/中国)の外国籍選手を除く13名が出場。まずはチームREDとチームBLACKによる前半戦が、15点の3セットで行われた。永露元稀と中野倭のセッター2人が並んだチームBLACKはツーセッター制を採用し、ふだんはお目にかかれない切れ味抜群のスパイクで観客を沸かせた。

【前半戦/チーム分け】

■RED…小山貴稀、椿山竜介、市川健太、高橋 良、勝岡将斗、上林直澄

■BLACK…山田脩造、近 裕崇、傳田亮太、中野 倭、永露元稀、山崎彰都、水町泰杜

セッターの中野(コート奥中央)も果敢にアタック(写真:チーム提供)

続く後半戦も15点×3セットが設けられ、こちらはチームの振り分けと選手のポジションを観客が指名する方式がとられた。そこではルーキーの水町泰杜がセッターに指名され、場内が湧き上がった。そのボールコントロールはお手のもので、ベテランミドルブロッカーの近裕崇とともにセッターを務め、試合ではそつなくトスを上げていた。さらにリベロに指名された山崎が、白色のユニフォーム(市川健太のもの)を着用し、これには至るところから黄色い声が聞かれた。

前半戦を含め、ポジションをシャッフルした選手たちのプレー姿は新鮮そのもの。傳田亮太のセットアップや、23-24シーズンかぎりで現役を引退する椿山竜介のレシーブやブロード攻撃など、見どころ盛りだくさんの一日となった。

【後半戦/チーム分けおよびポジション】

■ウルフ…セッター:水町、近 アウトサイドヒッター:永露、椿山 ミドルブロッカー 高橋、中野

■ドッグス…セッター:勝岡、傳田 アウトサイドヒッター:小山、上林 ミドルブロッカー:山田、市川 リベロ:山崎

トスを上げる水町。「あれだけ決めてくれるアタッカーがいたら、セッターとして楽しいだろうな」と振り返った(写真:チーム提供)

23-24シーズンかぎりで退団の選手たちも最後の姿を披露

紅白戦を終えて、近は「今日はチャリティー紅白戦の主旨にご賛同いただき、たくさんのご来場ありがとうございます。ふだんと違って僕たちも楽しくプレーすることができましたし、ファンの皆さんに喜んでもらえたらうれしいです。23-24シーズンのサポートに感謝申し上げます」とあいさつ。紅白戦の最後には、選手たちが募金を呼びかけ、およそ1時間弱に及ぶ列ができた。ファンを前にした23-24シーズンの活動はこれが最後。退団する選手がWD名古屋のユニフォーム姿を披露するラストチャンスとあって、別れを惜しむファンの様子も見られた。

(取材/坂口功将)

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