存続が危ぶまれる消滅可能性自治体 宮城県で19自治体 有識者でつくる人口戦略会議が公表

有識者らでつくる人口戦略会議が人口推計の分析結果を公表し、存続の危ぶまれる自治体、消滅可能性自治体を明らかにしました。宮城県では35の自治体の半分以上、19の市と町が消滅可能性自治体とされています。

消滅可能性自治体とは、子どもを産む中心世代とされる20歳から39歳の女性が今後50%以上減って存続が難しくなる恐れのある自治体のことです。

10年前に別の団体が2010年から2040年にかけての減少率を出し、宮城県でも23自治体が消滅の可能性があるとされ、波紋を呼びました。

今回、人口戦略会議は2020年から2050年にかけての減少率を算出し、宮城県で消滅可能性自治体とされたのは川崎町や丸森町、南三陸町など19自治体です。

このうち、川崎町は宮城県で唯一消滅可能性自治体の中でも最も厳しい区分に分類されました。

人口の自然減と社会減、どちらに対する対策も極めて必要とされています。
発表を受けて、子育て支援に取り組んできた川崎町の小山修作町長は悔しさをにじませます。

小山修作川崎町長「私も2期8年間、給料30%カットして様々な子育て支援対策を取ってきました。仙台市の隣の町としてもっと川崎町の魅力をうまく皆さんに伝えるべきですし、そういった力不足を感じています」

川崎町は今後、単独の取り組みだけではなく、他の自治体と連携した人口減対策も取り入れていきたい考えです。

一方で塩釜市、山元町、大衡村、美里町の4自治体は10年前の評価だった消滅の可能性を脱却しました。

中でも大衡村は宮城県で唯一、最も評価の高い自立持続可能性自治体と区分されました。若い女性の減少率が前回10年前と比べ、42ポイントも改善しました。

小川ひろみ大衡村長「正直びっくりしておりますけれども、今まで培ってきた子育て支援が結びついた中で、このような消滅不可能な自治体になったことでとても喜ばしく思っております」

18歳までの医療費無償化や給食無償化などの子育て支援のほか、企業誘致もプラスに働いたと分析しています。
2027年には、台湾企業が出資する半導体工場も建設される予定です。

小川ひろみ大衡村長「企業誘致する方々の支援、また、大学に行って帰ってくるように、大衡村に帰ってきて住みたい、そしてこれからも住んでいきたいまちづくりをしていきたい」

今回の発表を受け村井宮城県知事は「県としても人口減少対策は最重要課題。引き続き出生率の向上にしっかりと取り組む」などとコメントしています。

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